「龍馬伝」2010/04/13 02:01

 一昨年と去年の主人公が若かったこともあり、今年の大河は登場人物の年齢高すぎるんじゃないかと思っていたんです。坂本龍馬って三十代前半で暗殺されてますよねえ。
 しかし、そんな違和感など些細なことと思わせる、今年の大河ドラマの面白さ。最初は完全に主役を食っていた香川照之さんの快演・怪演、そして段々と格好良くなっていった福山・竜馬。
 なんだか哲学的・思索的・お坊ちゃん的ないい人だった龍馬が、様々なエピソードを経てきちんと段階的に成長していく様子が、とても説得力あるのですよね。脇役の皆さんも大変いい味出しているのですよ。決して性格の良い人ではないけどなんか憎めない弥太郎とか、なにげに男前な性格の弥太郎の嫁さんとか、たった一回しか出てないけどその熱い情熱が印象的だった吉田松陰とか。
 弥太郎と並んで副主役的な武市半平太も、竜馬に比べればとっても小粒な人間で、自分の使命感とプライドを原動力に酷い事もしてしまうけど、完全には憎めない人。卑小な部分もあるけど、人間的な情もちゃんと見せていますから。
 第二部からは岡田以蔵編って感じです。凄く純粋で可愛いキャラなのに、この時代の暗い部分を浮き上がらせます。
 なんか、「尊王攘夷だ、この国を乗っ取ろうとする異人を追い払え」っていう攘夷志士の皆さんを見ていると、「神の名の下にこの国を乗っ取ろうとする外国人に自爆テロだ」っていうテロリストの皆さんの原型なのかなあ、とか思います。
 幕末って、いろんな勢力の様々な思惑が入り混じって時代が動いていて難しいと思っていたのですが、「竜馬伝」はとても分かりやすく、説得力があり、それでいてダイナミックに時代を表しているんじゃないでしょうか。
 龍馬の冒険と成長とともに、視聴者もこの時代を感じていけるような。

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