「夜の公園」 ― 2010/06/19 12:34
申し分ないはずの夫のことを好きでなくなったことに、気付いてしまったリリは、そっとマンションを抜け出して、真夜中の公園へ。
川上弘美の小説に、夫がいるけど他に好きな人がいる、恋人がいる、というヒロインはわりと多いのですが、これは珍しく、ヒロインだけでなく夫の方にも存在感があります。
四角関係というか、五角関係というか。彼らの想いや行動やつながりを説明する単語はたくさんあるでしょう。でも説明しきることはできない。分かりやすくまとめられてしまいそうなそれを、解きほぐしてひろげたような小説。
分かりにくいようで、でもなんとなく分かるんですよねえ。後半の、妊娠とか離婚とか結婚とか心中とかの大きな出来事で動いていく展開より、登場人物たち人となりをこつこつと積み上げていく過程で話が構築されていくあたりのほうが好きです。きりきりとした現実感は分かりやすいですが、ぼわぼわとした日常もまた、リアルなのです。
厄介だけど魅力的な人たち。叙情的な、説得力。
川上弘美の小説に、夫がいるけど他に好きな人がいる、恋人がいる、というヒロインはわりと多いのですが、これは珍しく、ヒロインだけでなく夫の方にも存在感があります。
四角関係というか、五角関係というか。彼らの想いや行動やつながりを説明する単語はたくさんあるでしょう。でも説明しきることはできない。分かりやすくまとめられてしまいそうなそれを、解きほぐしてひろげたような小説。
分かりにくいようで、でもなんとなく分かるんですよねえ。後半の、妊娠とか離婚とか結婚とか心中とかの大きな出来事で動いていく展開より、登場人物たち人となりをこつこつと積み上げていく過程で話が構築されていくあたりのほうが好きです。きりきりとした現実感は分かりやすいですが、ぼわぼわとした日常もまた、リアルなのです。
厄介だけど魅力的な人たち。叙情的な、説得力。
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