「明日への遺言」2010/07/11 07:53

 必殺仕事人2010
 あの髪型や踊りはどうなの、と思いましたがストーリーは面白かったです。
 でも、八丁堀のいない仕事人。



 藤田まこと追悼で、昔書いた映画の感想。


 小泉堯史監督は、「雨あがる」「博士の愛した数式」が良かったので、期待していました。
 のっけから「ゲルニカ」でした。ある意味卑怯です。インパクトあるに決まっています。
 続いて、「映像の世紀」風に、航空機による無差別爆撃による被害が、時代を追って映像とナレーションによって語られます。大きなスクリーンに映し出される焼けた死体。原子爆弾のところでは、ナレーション抜きで映像のみです。
 それから、藤田まこと演じる岡田資中将の、裁判を待つ毅然とした姿。きちんとした折り目正しい様子は存在感があって、ここもごちゃごちゃナレーションを入れないでほしかったな、と思いました。
 ナレーションは竹之内豊。
 無差別爆撃で非戦闘員の女子供も殺しまくった兵士を、裁判にかけずに処刑したのは有罪か。
 そういう風に論点を持っていった裁判は、普通に法廷モノとしても楽しめました。
 主人公は、ちょっと立派過ぎるようにも思いましたが。あくまでも「報復ではなく、処罰だ」と主張するところとか。
 仏教を信仰する彼は、次第に他の戦犯達の教祖様の如くなっていき、無差別爆撃について真面目に論争してくれた法廷に、感謝の意を述べます。
 それでも、実話の重みと藤田まことの演技力に、納得させられてしまいます。
 エンディングは、森山良子が歌っていましたが。
 それよりも、意外といい声してる藤田まことと、他の戦犯達によって唱和される「ふるさと」にしみじみしてしまいます。
 こーこーろーざーしを
 はーたーしーてー。
 いーつーのー日―にか
 かーえーらーんー。

そんな感じで、処刑台へ。