「エッジウェア卿の死」2010/08/07 00:05

あなたが、―謙虚ですって?
その通り。ただひとつ――この口髭が、いささか自慢なのをのぞけばね。ロンドン中を探し回ったって、これに比肩するのにはお目にかからないでしょう。


 ひさしぶりにクリスティーを呼んだら、ジャップ警部が、愛嬌のない毛利小五郎って感じでダメで嫌なおっさんなのにびっくりでした。そこまで嫌な人にしなくてもいいのに。
 中学高校時代にクリスティーの作品を好きになって、ポアロものはほとんど読んでいるのですが、残念ながらもう詳細はほとんど覚えていません。
 ただ、「エッジウェア卿の死」に関しては、これもかなり以前にですが、ドラマ版(映画版?)を観ていたのをすぐに思い出しました。冒頭で女モノマネ師が髭付けて、舞台でポアロのモノマネをやっていた(原作にはなかったシーン)のがなんか可笑しくって。
 そういうわけで、犯人もアリバイトリックも分かった上で読んでいて思ったのですが、長編推理小説はミス・リードをたっぷり絡めてナンボ、なのでしょうね。それに惑わされずに大筋だけを追っていけば、話は単純なものです。(大筋を知った上で読んでいるんですが)
 このお話のミス・リードは、単に犯人の幸運というか気まぐれというか。ずいぶんと都合よく散りばめられた感じが残念でした。

 推理小説は、現実味がないほど緻密で合理的に計算しつくされたプロットが好きです。読んでいて、自分の頭も整理されてくるようで。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mimikaki.asablo.jp/blog/2010/08/07/5271090/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。