「インセプション」2010/09/30 03:15

 たまには洋画を、と思って。ディカプリオ主演。
 人の夢の中に入る、というと何かファンタジーっぽい。夢の中で更に夢を見る、どちらが夢でどちらが現か、というと哲学っぽい雰囲気もしますが、でも中途半端かなあ。
 どうも、仮想現実世界を構築してその中に複数の人間の意識を投じることができる、そういう技術のようです。その世界は目的に合わせて作成時にいろいろ設定がなされていて、しかしその設定以外にその中の人間たちの深層心理(?)が投影されたりもします。
 通常はその技術を使ってターゲットに一芝居打ち、ターゲットの持つアイデアを頂く。しかし今回主人公たちが依頼されたのは、逆にターゲットの深層心理にある「考え」を植えつけることだった。
 綿密に計画を練って夢の中に入った彼らを待ち受けていたのは、ターゲットの意識をガードする(そういう対抗技術もあるようです)者たちの襲撃と、主人公の深層心理が生み出す「妻」の幻。
 想定外のアクシデントに見舞われながらも彼らは何とかしてターゲットを誘導して行き……
 上記のような複雑な設定は、科学的にも思想的にもあんまり意味がなさそうで、奇妙に現実感の乏しい風景やアクションを生み出すためのファンタジー、と思ってキチンと理解しようなどと思わない方が良いのでしょう。わけ分からんから。
 夫婦愛や親子愛の方がメインテーマのようで、ディカプリオたちが何よりも苦悩しこだわるところですが、その辺を描くならこんな珍妙な設定はいらんなあ、と思います。
 最も残念だったのが、渡辺謙演じる依頼人が、「なんで貴方そんなことすんの?」ってな感じで、行動が意味不明だったところです。何かの伏線として最後にどんでん返しが来るのかと思っていたのですが、何も説明無かったなあ。