「物語 スペインの歴史 人物編」2010/10/09 16:21

 日本でもこのところ領土問題がごたごたしていますが、スペインにもあります。ジブラルタル、イベリア半島の端っこのあそこだけ、イギリス領。300年も植民地状態が続いています。
 以前読んだ「物語 スペインの歴史」と同じ著者で、人物編。前のが歴史上の出来事を中心にしているのに対して、これは人物をピックアップしているのですが、淡々とした語り口なうえに派手な事件があるとも限らないのであんまり面白みはありません。
「騎士エル・シドの物語」
 レコンキスタ時代、最強の騎士団を率いた傭兵隊長。騎士物語のモデルにもされた。傭兵集団って、日本史ではあんまり聞かないのでちょっと新鮮。
「女王ファナの物語」
 イサベルとフェルナンドの娘で、ブルゴーニュのフィリップの所に嫁いだお姫様ですが、このダンナが、美男子だけど浮気性。嫉妬のあまり行動が常軌を逸してしまう。やがてカスティーリャ王位に付いたのですが、女王の身でありながら死ぬまで幽閉されてしまった人。
「聖職者ラス・カサスの物語」
 新大陸でのスペイン人によるインディオたちへの非道な迫害に抗議の声を上げた聖職者。キリスト教の司祭が異教徒に酷いことするのが当然と思っていた人ばかりではないんですね。
「作家セルバンテスの物語」
 かの有名なセルバンテスのご近所で殺人事件がありました、というそれだけの話。
「画家ゴヤの物語」
 ゴヤの生涯をごく簡単に語る。病で耳が聞こえなくなったり異端審問に呼ばれたりフランスに亡命したり、けっこう波乱に満ちています。
「建築家ガウディの物語」
 31歳のときから取り掛かったサグラダ・ファミリアが、彼の死後も未だ完成せず。完全に菜食主義者で、浮浪者みたいな格好。頑固で偏屈で敬虔なカトリック、となると、大聖堂の製作もハンパなこだわりではなかったんでしょうね。