被災地支援コンサート@大阪市役所2011/04/29 02:17

 木曜日は空手教室の日。
 なので、すごく迷ったのですが。結局、晩からの最終公演は、昼間はお勤め等があって夜しか来られない人々に譲ることにして、道着の入ったトートバックを肩に、市役所を去りました。
 ついこの間も阪急電車で電車内チャリティー演奏(全然知らなかった。多分突然過ぎて広報もままならなかったんだと思う)したばかりの大植監督。
いつも「空気の読めない陽気なお祭人間」なイメージの強い大植監督がどんな「運命」を大フィルでやってくれるのか、聴きたかったけど。
 でも、三回も募金箱(各公演が終るたびに出口に構えられている)のところで握手してもらっていたら、記憶に残ったようで。三度目は「またこの人」てなカオされました。午後いっぱい聴きにきているヒマな人だと思われたかなあ(笑)

第③公演12:30~
 12時過ぎに市役所玄関ホールに着きましたが、すでに60人ほどの人。
平日の昼間だというのに、各公演で200名以上は集めていた今回の市役所コンサート。中でも私が、今回一番のお目当てだった、
 チェロ:近藤浩志 ピアノ:大植英次
 贅沢な組み合わせです。今日が学校休みで、本当に良かった!
 大植監督のピアノを聴くのは実は初めてだったのですが、最高です。近藤さんのチェロもさすが!余韻タップリ、落ち着いた柔らかい音色。
 ただし、大植監督、話長い上に日本語が不自由で聞き取れない。トークは近藤さんがダンゼン上手いのですが、監督に譲っちゃって。他者に伝えたいと思っていることが、たくさんおありなのでしょう。ただその表現方法として、言葉よりも音楽のほうに才能が特化してるんでしょうねえ。
サン=サーンス「白鳥」、フォーレ「夢のあとに」はチェロ曲の定番。あとバッハやアヴェ・マリアはなんとか分かるけど、ブルッフの「コル・ニドライ」やもう一曲(聞き取れない)は、マイナーで聴いたことない曲でしたが。
 それでも、格好良い。座席無しの立ち見でも気にならないくらい。

第④公演13:30~
 ヴィオラ(小野眞由美)とコントラバス(松村洋介)の珍しい組み合わせは、昨年の大阪クラシックでも聴かせてもらっていましたが、前の公演が思い切り長引いたために、ディッタースドルフの「ヴィオラとコントラバスのソナタ」は、曲の途中からどっと観客が入ってくると言う有様でした。
 さらにヴァイオリン(橋本安弘)が加わってバッハのトリオ・ソナタ。
 アンコールはメヌエット。ベテラン実力派って感じの上品な演奏でした。

 そのあと、朝からこしらえてきたオニギリで腹ごしらえし、ちょっと休憩してから
第⑦公演15:00~
 その昔マイケル・ジャクソンが大阪のメシの美味さ等に感激してチンパンジーといっしょに市長を電撃訪問したという(大植監督談)、5階市長公室。賓客をお迎えするお部屋で、足元フカフカで椅子も上等(早めに並んだので座れた)でした。
 ヴィオラの吉田陽子さんも大阪クラシックでファンになって、これも期待していた公演。ヴァイオリンは中西朋子さん、浅井ゆきこさん、チェロは松隈千代恵さん。残暑や過密スケジュールが無いせいか、大阪クラシックより今回のチャリティー公演の方が精彩があるような。
 最初は明るく、モーツァルトのディヴェルティメント二長調。
 それから照明を落として、いずみたく「見上げてごらん夜の星を」、ビショップ「ホーム・スイートホーム」(埴生の宿)、ハーライン「星に願いを」。
 途中で大植監督が桜の枝や「ほんまや」のペットボトルを持って乱入したりしてましたが。
 アンコールはチャプリンの「スマイル」。
 被災地支援のテーマにふさわしい、祈りを感じさせる選曲ですね。
 
第⑧公演16:00~
 屋上会議室では、前から二番目の窓際。窓からは曇り空と鐘が見え、窓辺にはパンジーの鉢植えがあって、床に直座りすると頭のすぐ横に鮮やかな花が香りました。演奏を真横から聞く形になっていましたが、あれは、正面から見ていた方が面白かったでしょう。
 ④と⑦が、上手にまとめあげたプロフェッショナルな公演だったのに対し、これは冒険的というか。
ロッシーニの弦楽のためのソナタ第一番と三番。
 やはりトークもアレンジも達者な近藤さんのチェロに、ヴァイオリンの田中美奈さんと三瀬麻紀子さんを対面する形で対象配置にし、そして、弦楽四重奏で、これほどコントラバスが注目された公演はないでしょう。
 コントラバスのソロパートがあるってだけでも珍しいのですが、新真二さん、「落とした!」。「拍手なんてしなくていいですよ」と近藤さんはおっしゃいましたが、会場は大ウケ。その後、コントラバスの入るタイミングで親切にも「ハイ」と合図が入る始末(笑)
 そうですよね。なじみの無いマイナー曲をさらりと弾きこなしたりアレンジしたりできるのは近藤さんくらいなもので、急に決まったチャリティー公演で準備期間も短いと、こういうこともあるでしょう。

第⑨公演17:00~
 会場は市長公室に戻って、豪華なシャンデリアのお部屋に、Tシャツとジーンズの一団。その名(急に決まったらしい)も「岸里1丁目GENNDADAN」。
 大阪クラシックでもお馴染みの弦楽打楽器アンサンブル。歴代の大クラTシャツですが、今年も開催してほしいなあ。
 ルロイ・アンダーソンも定番。「ブルータンゴ」「タイプライター」「シンコペイテッド・クロック」「サンドペーパー・バレエ」。アルミのゴミ箱やバケツを百均菜箸で華麗に打ち鳴らした「フィドル・ファドル」。
 それから、シンスティーン「ロック・トラップ」はボディ・パーカッション。
 ラストは、力武千幸さんのヴァイオリンソロで、モンティ「チャルダッシュ」。ノリノリのタンバリン、観客も陽気に手拍子。

 堪能。連休初日、とってもええ感じでスタートです。