近つ飛鳥博物館 倭人と文字の出会い2011/06/07 01:53

 飛鳥、はともかく「近つ」ってなんだろう?
 梅雨の晴れ間。週末のお天気がもってくれて良かった。
 日曜日に、ふらりと博物館へ。山の中の辺鄙な立地にも関わらず、駐車場に入りきらないほど車がならんでいる。23年度春季特別展中で、この日はシンポジウムがあったせいか。
 安藤忠雄さんという建築家の設計による建物は、古墳をイメージした独特のデザイン。入り口へ続く、高い塀に挟まれたような細長い通路は、墳墓の中へ通じる感じがしました。
 古代からの発掘品や、うちの近所にある仁徳天皇陵の模型やらを見た後、博物館の周辺の山へ。
 近つ飛鳥風土記の丘。思ったより長い昇り階段が続きました。どうもこのあたりでは、穴ボコと大き目の岩がゴロゴロと転がっているのを「古墳」というそうで、山のいたるところにそんなのが点在しています。全部回ろうとすると遭難しそうに思えるくらい。
 なんか、平地に百舌鳥古墳群とは種類が違います。なんでこんな山奥にポコポコお墓作ってるのか、と不思議な気がしましたが、でもよく考えれば、うちの田舎もお墓は山の中だったし。普通に墓地だったのでしょう。
 あるいは、山岳信仰っていうのか、あのお山そのものが、土地を治める有力者一族の聖地として祭られていたのかもしれません。
 博物館見学と山道散策で、結構もりだくさんなところかもしれない。

「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」2011/06/12 01:19

 最近の大作映画はどしどしと3D上映されているけど、この映画は別に2Dでもええよなあ、と思いました。あのメガネ外して観てもあんまり変わらないというか、遠近感を意識した映像ではなく。夜間など、画面の暗いシーンが多かったからなおさら、3Dはもったいなかったなあ。
 映像だけじゃなく、全体的にみて、ハズレでした。二時間半の大作でしたが、どうにも眠たいし、物足りない。
 新キャラたちの魅力が薄い。特に人魚と宣教師の恋愛事情とか、ほとんど本筋に対する「付け足し」みたいな感じでこれも「要らんやろ」と思いました。
 美人でかっこいいエリザベス、カムバック!てかんじ。

「下流の宴」2011/06/15 00:05

 先週もそうだったのですが、月曜の夜、ついつい夜更かししてしまって。
 NHKのイタリア語講座で高橋克己がイタリア人女性二人に楽しそうにイジラレているのを見た後、ドラマの再放送から目が離せなくなって。
 今日は、昨夜の勢いで、10時からの本放送も見てしまいました。
 林真理子の原作は、新聞に連載されていたのを毎日楽しみにして読んでいたんです。ぜひとも、続編を書いて欲しい。
 ドラマもなかなか面白い。原作の流れを上手にまとめた脚本に、キャストのみなさんも、イメージにぴったりで。
 人間は、十頑張ればそれが二十にも三十にもなって返ってくる。しかし、多くを得るために必死になることに、価値はあるのか。
 「医者の娘」というプライドを持つ教育熱心な母親と。
 頑張るのキライで将来のこと考えるのもキライ、なフリーター息子と。
 この二人の考え方の食い違いっぷりが、物語前半の注目点で。どちらも、いかにも現代社会の中で普通に存在していそうなリアリティがあり、それぞれに共感できる点と好きになれない欠点を持っています。
 そして、後半からは、「たまちゃんガンバレ!」な展開になります。以前「フリーター、家を買う」というのがありましたが、このドラマは「フリーター、医者になる」です。
 ドラマでは美波さんという方が「美人ではないけどイイオンナ」を好演しています。このドラマでは女達がパワフルに闘志を燃やし、男達はなんかしょぼいです。
 話の結末は分かっているのですが、続きが楽しみです。

「マン島の黄金」2011/06/19 23:05

 早川書房のクリスティー文庫。昔からあった文庫本を2004年に新装版として出したものですが、どうも、訳が馴染めません。「気が転倒する」とか、普通言わんよね、「気が動転する」なら普通の日本語ですが。
 頭を理路整然とさせようと、推理小説を図書館から借りてきたハズなんですが、異色の短編集でした。
 ミステリより恋愛モノが多かった。ミステリでも、クリスティーは三角関係を描くのが好きですが。幻想小説っぽいのもあり。表題作は、島の観光客誘致のための宝探しイベントのために書かれたもの。
 私の好きな、尊大な髭探偵が出てくるのは「クリスマスの冒険」(これは「クリスマス・プティングの冒険」のタイトルで有名だったやつだと思う)と「バグダット大櫃の謎」の二編。
 印象的だったのは、「孤独な神様」と「愛犬の死」。
人生の哀愁漂ってて。