「嘆きのピエタ」2013/06/30 15:50

 韓国映画って、どうも私好みじゃないっていうか、あんまりおもしろいと思ったことはないのですが、これは、途中で眠くならず、飽きずに観ることができました。
 昨年のヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作。韓国映画史上、三大映画祭のグランプリを取るのはこれが初なんだそうです。
 天涯孤独で冷酷な借金取りたてをする男の前に、彼の母親を名乗る女が現れる。
 この女の正体とか目的とかは、映画の最初のワンシーンでいきなり察しがついてしまうのですが、しかし、この女優さん(チョ・ミンス)の存在感がすごかったです。冷たい炎のような目で、不気味な凄みがありました。
 ストーリーはツッコミドコロが多くて、上手く人物やエピソードを繋げているのですが、まとまり過ぎて嘘くさい。現代韓国社会の闇をリアルに描く、って感じではなく、現代の残酷童話、と解釈するべきかと思います。
それでも、人々の情念の深さは、あの国の国民性なのかなあって思いました。みんな愛情にあふれているのに、なんか歪んでいます。
画面は貧しくて陰鬱で殺伐としていて、サイケデリックですらありました。
 そんな中で、母親の持つピンクの携帯電話のデザインだけが、
 カワイイ。
 そこだけは、工業大国韓国ですって感じのハイ・センスを見せてくれていました。いや、韓国ではあれが普通レベルで、「あれよりダサいケータイは売ってない」のかな?

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