「さよなら渓谷」2013/07/21 23:26

ラストシーンの後、流れるエンディングを聞いて、私は思いました。
真木よう子、歌はやめといたほうがいいや・・・・・

 吉田修一原作の映画を見るのはこれで四本目ですが、四本ともアタリです。
序盤はミステリ仕掛けになっていたり時間軸などの構成がまだるっこしかったのですが、主演二人の道行のシーンは悲しい緊張感が溢れていてサイコーでした。
 普通で考えて、ありえない関係の二人。
 でも、ああいう描き方をされると、「あり得るかもしれない」と思わせる説得力。
 吉田修一は「悪人」でも、歪んでいるけど切実な男女関係を描いていましたが、これもその系統だと思いました。
 どんな気持ちで、二人は一緒の時を過ごしていったのか。
どんな気持ちで、「さよなら」を告げたのか。
 そこら辺を想像すると、とってもモヤモヤして、原作も読みたくなってきます。
 真木よう子の表情も良かったですが、相方の方も◎。大西信満さんって初めて観る役者さんでしたが、罰なのか愛なのか償いなのかよく分からないままズルズルと落ちていく様を、絶妙に表現してくれました。