第8回大阪クラシック―切ない音色2013/09/15 01:07

 完売になる前に、最終公演のチケットを予約しておけば良かったかなあ。今年から、最終公演は壮絶な整理券争奪戦(早起き争い。もう、私にはとても太刀打ちできない)を廃して、有料公演になっていたのでした。

第87公演 11:00~  大阪市役所正面玄関ホール
 ポッパー:マズルカ ニ短調
 クレンゲル:二つのチェロとピアノのための小品
 ロッシーニ:「老年のいたずら」よりウネラルメ

 昨日期待外れだった、チェロのリベンジ。石田聖子さんカワイイです。ベテランの織田さんと、チェロ二本に、ピアノ演奏。
 クレンゲルさんって昨日も取り上げられていましたが、今年没後何周年かの記念イヤーなんだそうです。でもなんかスローな曲で、ちょっと眠たい。
 ウネラルメは「涙」という意味なんだそうですが、決して湿っぽい涙じゃないあたりが、明るい天才肌のロッシーニらしいです。

第90公演 12:30~ 中央公会堂大集会室
 カメラを構える人は多いけど、信号や道路標識が邪魔で、なかなかイイ写真が難しい中央公会堂。その大集会室は、コンサートホールとしては今一つ音が響かない感じなのですが。
 しかし、当日券の列に並び、千円支払った価値は十分ありました。
 サン=サーンスの「動物の謝肉祭」動物をテーマにした小曲14編あるのですが、演出と皮肉を楽しむ作品です。
 「象」ではコントラバスがソロで主旋律を奏で、「森の奥に住むカッコウ」ではクラリネットが観客席を歩き回りながらひたすら「カッコウ(ポソッと)」と繰り返し、「耳の長い登場人物」(何者?)では大フィルコンマスが二人そろって謎の戦い(?)を繰り広げ、「ピアニスト」(動物?)では、いわばスマップのリーダーの歌唱力のような腕前でもってピアノ経験者にはお馴染みの練習曲を二重奏する趣向です。
 近藤さんの解説を交えながら、笑って鑑賞する舞台。その近藤さんの「白鳥」。大阪クラシックではお馴染みの曲ですが、さすがの、美しさでした。

第93公演 14:00~ 京阪電車なにわ橋駅アートエリアB1
ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第一番&二番
 本日の本命で、明るい曲。残念ながら立ち見でしたが、アンコールのウィリアム・テル序曲もノリノリで、しかも大植指揮付と、二本立て。
 今年はテルマンやロッシーニが多いですが、やっぱり記念イヤーなんでしょうか。
 中央公会堂に引き続き、チェロの近藤さんにコンバスの新さん。それにヴァイオリンの田中さんに三瀬さんの、おなじみの四人。
 弦楽ソナタなのに、なぜヴィオラが無いのか。
 その点について、なぜかまったく別の説が述べられました。
 プログラムを見ると、この日は、同じ弦楽ソナタ2番をセンチュリーのメンバーでも演奏することになっていて、しかもこれはヴィオラ有りです。
 ものすごく気になったのですが、時間の都合で断念しました。

第96公演 15:30~ 中之島ダイビル
 シューマン:弦楽四重奏曲 第二番へ長調
 この時点で私はまだ昼食を取っておらず、堅い床の上に直座りの会場で、けっこう疲れていました。もったいないことした自分。
 何かお腹に入れるべきだったか。それでもかえって、眠たくなるかもしれません。
 ヴァイオリンの男の子がエラク若くて可愛らしいかったのが印象的。

17:30~ 
 肥後橋のコンビニで軽食をとってから、再び大阪市役所へ。
 ここの玄関ホールは音が響きすぎてちょっと籠ったようになるのですが、「バロック音楽が教会で演奏されていた当時の状況」と言われてみれば、なんかいい感じに思えてきます。
 恒例の野津さんのフルートソロ。センチュリーのロッシーニを諦めたのは、ちゃんと早く並んで座って聴きたかったからです。立ち見が続くとしんどくて。年ですね。
 野津さんも、なんかシンドイのかなあ。初日の時も思いましたが、シャベリが年々聞き取りにくくなってきているようです。大植さんを笑えないですよ。
 C.P.Eバッハ。そしてJ.Sバッハの無伴奏チェロと、これもお馴染みになってきました。
 チェロ組曲をフルートで演るのでブレスに違和感があるのですが、それもやがて気にならなくなる。アンコールの「アルルの女」を、観客席を歩きながら演奏するのも恒例。
 祭りの終わりは、美しくて切ない調べでした。