「恋」2013/12/18 10:31

 原作は小池真理子の直木賞受賞小説。
 TVドラマでも、ヘタな映画顔負けに意欲的で刺激的で美意識のある作品って、けっこうあります。
 メイン四人のキャスティングがハマりすぎでした。影のある英文学者、奔放で華やかなお嬢育ちの奥さん、地味系で一途な女子学生。その三人の奇妙な関係の中に、軽井沢で出会ったワイルド系の男が現れて、事件が起こる。
時代は70年代。恋愛ものではありますが、軽井沢とか高級レストランとか煌びやかなセレブ設定と、倒錯的な愛の形が、非現実的な空気を醸し出します。
 石原さとみの、干からびていく蛾をみつめる風情がゾクゾクします。最近ではこういうの、やんでれっていうんでしょうか。
ワイングラスに舞い込む桜の花弁
薔薇の表紙の洋書
誘蛾灯の蒼いひかり
十五年後に薫り高い実をつける苗
重たげに弾丸を飲み込む猟銃
・・・作品を彩る小道具も完璧でした。
作品世界を盛り上げる洋楽も、とってもオシャレ。

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