「春を背負って」2014/06/14 22:25

 え、これで終わり!?
てな感じでした。まさかのバカップル場面のラスト。映画タイトルにある「春」って、そっちの意味ですか!
いえ、幸せそうで結構なのですが、冒頭の大雪に覆われた山地で、一歩一歩足を進めていく小林薫の渋さと、あまりに対照的で。
映画封切り前に出演俳優がトークバラエティ系のTV番組に出てくることはよくあることですが、監督がガンガン宣伝出演しているのがよく目につきました。そしてこの木村大作監督、キャラがなんか面白いんですよね。業界の大御所だからってのもあるのでしょうが。「カメラマン」ではなく「キャメラマン」って紹介されてるのがもう、「特別感」「印象付け」をねらってる。
で、さすがのベテラン「キャメラマン」が監督しているだけあって、雄大な風景や可憐な花の色とか、大変キレイです。
登山の知識はまるでないので、山小屋の賑やかな様子は興味深かったです。
山小屋での松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司の三人のホノボノ感も良いです。
でも、なんか、話が普通なのです。
この監督の前作「劔岳」が、結構意外なオチを持ってきてくれていたので、普通のままエンディングになってしまったのに肩すかしを感じたのでしょうね。
豊川悦司が、結構いいセリフを言っていて、演出次第ではとても印象的なのでしょうが、なんか浮き上がってしまいます。
そして主演の松ケンが、普通の素朴な山の青年過ぎて、個性の強い蒼井(ショート・ヘア可愛い)とトヨエツの役柄に比べると、なんか薄い。
映像としての格好よさは抜群の映画。
人間模様を楽しむなら、原作小説読んだ方が味わいがあるんじゃないかと思いました。