「チョコレートドーナツ」2014/06/21 12:01

 今月最初の日曜日に観に行ったのでずが、朝一の上映は満席、次のお昼の回も満席で、わざわざ梅田まで出て行ったのにとんぼ返りという残念な思いをしてしまった映画。マイナー映画と思っていたら、朝のTVで紹介されていたのだそうです。
 それから半月ほど待って再度映画館へ行ったわけですが、結構座席埋まっていました。

 ゲイカップルが施設からさまよい出てきたダウン症の少年を保護し、「家族」として愛情を注いで楽しく暮らしていく。しかし差別と偏見に満ちた世間様とお役所は、同性愛者が「親」になることを認めなかった・・・・
 70年代米国で実際にあった裁判を元にした脚本だということ。お話として脚色した部分も多いようです。
 アラン・カミング演じる主人公の愛情深くてエモーショナルな人柄、実際にダウン症の少年をマルコ役に起用、ラストも切なくてすすり泣きが聞こえてきました。
 上手くまとまったいい映画だったと思います。でも、思ったより薄味でした。一般受けにまとめすぎちゃったのか、衝撃が薄くて普通っぽくなってしまった感じです。
 普通でなかったのは、作中にたびたび登場する歌唱シーンだったと思います。結局、この映画は主人公の魅力が大きいのです。ゲイバーの舞台での明るい強さも、失われた愛すべき日々を歌う、哀切も。
 ある人が流行りの「アナ雪」(私はまだ観てない)を、ミュージカル化確実、と言っていたのを思い出しました。
 血のつながりのないゲイの父親は、薬物中毒の実の母よりも「親」として劣っているのか。子供が「親」を慕う気持ちは、大人の判断の前で退けられてしまうのか。
 人間の本当の姿を。本当の居場所を。
 ありのまま受け入れられれば、悲劇は起こらなかったのに。