「さよなら妖精」2014/07/14 22:47

 90年代の紛争による地雷は、未だ処理しきれずに旧ユーゴスラビアに残されている。

 青臭さ万歳!な青春小説。ミステリ・フロンティアの出版ですが、謎解き要素はほんのオマケみたいなもんです。
 ボーイ・ミーツ・ガール、なのですが、ガールはワールドでもあった。
 薄くて温い平和の中で生きていた高校生が、全く未知の世界から来た外国人の少女と出会って、刺激を受けるお話。
 このマーヤちゃん、最初のうちは「なんて胡散臭い人物なのだろう」と思っていたのですが、お話が進んでいくとだんだん納得ができてきます。そういう国に生まれ育ったら、そういう考えや行動を持つ人間性が生まれるのかもしれない、と。
 そういうのって、重要です。他者に対する理解を深めることで、自分自身を深めることができるんじゃないかって思うのです。
 世界は、自分たちの知る範囲だけで構成されているのではなく、その範囲だけで生きていく義務などなく、その範囲だけで生きていく権利もある。
 すべての選択肢が残されている者と、
 失ってしまった者。

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