「ぐるりのこと」 ― 2015/09/16 00:47
同名の映画がありますがそれとはまるで無関係。
コンサートの時間待ちのために軽めの読み物を、と思って図書館で手に取った梨木香歩のエッセイ。
しかし、軽くなんかなかった。児童書畑の女性作家のエッセイなので、身の回りの由無しごとを徒然語ってくれるのかとなんとなく思っていたのですが、もっと深い。重い。哲学的。
彼女のいう「ぐるりのこと」とは、個人的なエピソードから社会的事件にまで重層的に広がる。個人と集団、我と世界の関係性。女性作家のエッセイだけど、男性の方に読んでもらいたい。漱石の「私の個人主義」と合わせて読んでも面白そうです。
ひとつ、エピソードを挙げると。
旅行中の大学生が広島の折鶴14万羽を燃やした(アホ!)事件。彼の属する大学の学生たちが広島に送る鶴を折り始めたとの報道に、筆者も鶴を折り始める。全国から送られた折鶴は、わずか数日で30万羽となる……
人の世の有り様を嘆きつつ、世界と自分との双方向の関わりを感じる。
鋼錬で言う所の「自分は世界、世界は自分」ってやつだと思いました。
コンサートの時間待ちのために軽めの読み物を、と思って図書館で手に取った梨木香歩のエッセイ。
しかし、軽くなんかなかった。児童書畑の女性作家のエッセイなので、身の回りの由無しごとを徒然語ってくれるのかとなんとなく思っていたのですが、もっと深い。重い。哲学的。
彼女のいう「ぐるりのこと」とは、個人的なエピソードから社会的事件にまで重層的に広がる。個人と集団、我と世界の関係性。女性作家のエッセイだけど、男性の方に読んでもらいたい。漱石の「私の個人主義」と合わせて読んでも面白そうです。
ひとつ、エピソードを挙げると。
旅行中の大学生が広島の折鶴14万羽を燃やした(アホ!)事件。彼の属する大学の学生たちが広島に送る鶴を折り始めたとの報道に、筆者も鶴を折り始める。全国から送られた折鶴は、わずか数日で30万羽となる……
人の世の有り様を嘆きつつ、世界と自分との双方向の関わりを感じる。
鋼錬で言う所の「自分は世界、世界は自分」ってやつだと思いました。
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