「果断 隠蔽捜査2」2015/11/28 15:06

本格的な警察小説は「新宿鮫」以来かもしれません。
「隠蔽捜査」で吉川英次文学新人賞(ベテラン作家なのに新人賞!)、続編である本書「果断」によって山本周五郎賞と日本推理作家協会賞。著者・今野敏の出世作。
二年くらい前にTVドラマ化されて、わたくし大ハマりしていました。「相棒」と「半沢直樹」を足して2で割った感じ。キャストも「相棒」と色々かぶっていましたし。
杉本哲太と古田新太の掛け合いが面白く、二人そろって、上司になってもらいたい権力者です。
ドラマの方はかなり展開が早くて、端折られた部分を楽しむつもりで原作第一巻を手に取り、数ページで、全巻読むの決定です。対PTAとか、対アイドル一日署長とか、端折られエピソードも面白かった。
頭カチカチ、友達おらんっぽい「変人」キャリア警察官僚が、がんがん正論を吐いて世の矛盾をついていくのが小気味よい。
小学生時代のいじめ経験をいつまでも苦々しく思い返したり、奥さんが入院してお風呂をわかせなかったり、息子に勧められた「風の谷のナウシカ」を観て素直に感動して勇気づけられる46歳東大法学部卒警察官僚……なんか、とっても。
カワイイのですよ。
そう、まぎれもなくこれは、中年のオッサンの成長物語に萌える小説なのです。
シリーズ二作目の本書からは、ドラマでお気に入りだった戸高刑事(態度はワルイがやることはやる。署長に競艇の面白さを熱弁)も本格的に活躍してきます。それから、SITとSATの違いもこの小説で初めて理解できました。
残りのシリーズも、ドラマになっていなかった分もまだまだありますし、楽しみ。

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