「往復書簡」2016/03/01 00:35

他愛無い出来事を深刻そうにドロドロと描いたのが一本と、重い(人死にが出る)出来事をエイっと温かくまとめたのが二本。
職場の人に勧められて手に取った一冊。中編三本を、電車読書で三日読破という読みやすさに何よりも驚きです。
書簡形式小説で平易な口語文章だから、というのもあるでしょう。でもそれ以上に、湊かなえ作品というのは「続きが気になってくる」書き方の上手さが魅力なのだと思いました。
それから、登場人物たちがやたらと作戦っていうか、小芝居を打ちたがる(そして話をややこしくする)のが特徴的。
大人になった各々が振り返り、思いを述べて、高校時代の、小学生時代の、中学生時代の、「事件」を浮かび上がらせていく。
ミステリとして上手にまとまっていて読んでいるうちは凄く面白いけど、あまりに軽く読めすぎて改めて感想を述べようとしてもあんまり心に残らないのが残念。

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