モモちゃんシリーズ2016/03/14 00:20

なんちゅう三賢人。
モモちゃんの生まれた日に訪れたのは、カレー粉の袋を背負ったジャガイモさんとニンジンさんとタマネギさんで、しかし赤ちゃんにカレーはまだ早い、とママに追い返されてしまうという………シュールだ。シュールレアリスムだ。
著者の体験、彼女の娘たちをモデルにした、松谷みよ子の超有名名作童話。なんとなくあらすじは知っているけど、幼少期にちゃんと読んだことは、無い。今回初めて文庫で読む。
ももちゃんは「赤ちゃんの家」にあずけられ、黒猫のプーと遊び、再び現れた三賢人に「ニンジンはちょっと…」と言って泣かし、妹のアカネちゃんが生まれ、アカネちゃんの最初のお友達は靴下で、お姉さんぶっちゃうモモちゃん。……このへんなんか、昨年弟ができた従妹の娘(三歳)を思い出しました。
そんな、子供目線な子供世界の物語である一方で、これは、お母さんの物語でもあります。モモちゃんのために恐ろしい牛鬼を叱り飛ばすママ強し!
そのうち、パパは靴だけしか家に帰ってこなくなり、ママの元に死神が現れます。
そしてパパとママはサヨナラして母娘で新しい家に引っ越し、モモちゃんは小2で転校するのですが、新しいお家でアカネちゃんは、パパに渡す煙草一本持って、新しいお家の中を探すんですよねえ。
リアルだ。リアルな家庭の事情を幼児に伝える物語。
昔から子供が苦手なのは、何考えているのかよく分からん理解を超えてる道理が通じないってのもあるけど、それ以上に、緊張するのが良くない。チビッ子の前で、自分は良き大人として存在できているだろうか、と思うと、緊張する。
大事な友達である靴下を人にあげちゃったママに、アカネちゃんは言います。
パパも誰かにあげちゃったの?
穏やかホノボノな中に、時々ガツンとしたのが投げ込まれる。子供目線な大人の世界。