「太陽」2016/05/09 23:51

吸血鬼・ゾンビものって、古くからありながら無数のアレンジが可能な設定だなあ。

ストレートな感情表現。神木隆之介君が、叫ぶ叫ぶ。
もともと戯曲だった作品の映画化。
ちょっと、手塚治虫っぽいなあって思いました。物語の、奥行きが。
支配者と被支配者に二分された近未来。古典的設定です。
一方は、太陽光で死んじゃったり子供ができにくかったりと欠点もあるけど、普通の人間より頑健な肉体と高い知能と冷静な合理的判断を持つ(だからこそ、社会の支配者の側になっていい暮らしをするでしょう)新人類。
もう一方は、普通の人間。四国で独立政府を作ろうとするも、さっぱりまとまらずに無法地帯になってしまう。粗暴で感情的で貧しい暮らしをしていて、でも心揺さぶられる生き方をしているのは彼らの方だったりします。
愚かで混沌とした彼らには、「迷い」が生じる余地がありますからね。賢い方の人たちの、言ってることは間違ってないけど人形みたいな機械的な喋り方が、うまい。
二つの陣営の間で。
反発があったり憧れがあったり共感が生まれたり。
人の幸せってなんだろう。良き生き方ってなんだろう。
見る人によって、感じ方が違ってくる映画だと思います。