「君の名は。」2016/10/23 01:06

公開前のTV放送「言の葉の庭」があまりにも美しい映画だったので、このイメージが崩れたら嫌だなあ、この作品観に行こうかどうしようか……
なんて思っていたら、ジブリアニメ並の大ヒット、話題騒然作品になって。
自分が十代の時に観に行けていたらなあ……。決して大人の鑑賞に堪えない、というわけではなくって、とっても魅力的なエンターテイメント作品なのですが。「時をかける少女」を見た時も同じように思ったのですが、あのひたむきな純粋さ、切なさ、青春って感じは、完全に少年少女たちの、どストライクでしょう。
リピーターが多いのも分かります、エンディング後にもう一度オープニングを見たくなる。
曲がバカ売れなのも分かります。映画の音楽っていうか、RADWIMPS音楽の長大なイメージ映像にすら思えてきます。
3.11や「シン・ゴジラ」と並べられるのも分かります。大きな被害に立ち向かう物語。
そのために、時をかけるファンタジーの力を借りるわけですが。構成(伏線)が周到なうえに昔々の神事の継承役を市原悦子に担わせるのだから、胡散臭さやご都合主義を感じず、やはりこれもなんか分かってしまう。
キャストでは、神木君はもともと実力派で名を馳せていましたが、もう一方、上白石さんが「舞妓はレディ」以来の主演で、どんと知名度を上げた(CDまで出した!)のは嬉しいです。
そして、それ以上に、一躍ビッグネームとなった監督・新海誠。こうした新しい波が起こるのも、わくわく感があります。

「おれがあいつであいつがおれで」2016/10/23 23:49

「君の名は。」で唯一物足りなく感じたのは、シリアスに入る前の入れ替わり編を、もうちょっと長くやってほしかったなあ、というコト。
その補完、というか。
小学生のときに読んだ「山田ババアに花束を」、最近のドラマで「民王」などなど。
中身入れ替わりものって、エンターテイメントやるなら必ず通らなければいけないかのごとく、たくさんの作品があります(でも外国ものでは聞いたことがないなあ。宗教観の違い?体を乗っ取るのは常に悪魔の役目)が、私の知る限り最も古いのが、山中恒作の、児童小説。映画「転校生」の原作?
序盤から、仲良し幼稚園児がババアをぶっ殺し、小6で再会して男女入れ替え生活、という、なんかこう、突き抜けきった感じのコメディです。

ほんとに男っていいなあ。前のボタンをはずして、ちょんとつまんで、シャーッとやって、あとはブルンブルンとやって、さっとしまえば、もう、それでいいんだものなあ―


描写が、リアルすぎて爆笑。小6男子の一人称って、バカっぽさと遠慮のなさとその源となる根の真っ直ぐさが最高です。女子視点で描いたら、もっと悲観的だったでしょう。
混乱や不安を共有することで二人の絆を深めるのは、お約束です。