「伊豆の踊子」2017/03/07 23:45

新潮文庫、表題作の他に「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」と計4編。
昔読んで、どこが面白いのかさっぱりわからなかった小説を、大人になって再読して。
やっぱり、読むのしんどかった、川端康成。
ストーリーを読もうとしてはダメなのでした。わずかな状況説明と、登場人物たちの哀歓を表わす抒情的な小説なのです。
筆者が描こうとしたのは、人の清らかなで純粋素朴なこころ。それだけなら単なるロマンチストさんなのですが、清純が白く煌めくその舞台は、人の非情さ世知辛さ寂しさだったりします。
掃き溜めの中の鶴。
作品によって、鶴の方に焦点があったり(「伊豆の踊子」「抒情歌」)、掃き溜めの方の描写に言葉を費やしたり(「温泉宿」「禽獣」)するので、だいぶ印象が違ってきます。

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