「日本沈没」2018/02/12 00:15

73年、まだ冷戦やっていて日本が高度経済成長やっていた時代に発表された作品を、95年、あの震災後に刊行した光文社文庫版。
こういうのは一月から三月にかけて地震津波報道が盛んになる時期に読むのが最適、と思ったけど、読んでいる間の、草津の噴火ニュースがすっごい怖くて。
大阪が津波に洗われ文字通りの「水の都」に戻ってしまった場面では、3.11の映像をイメージして読む。イメージなのに、悲しくてちょっと泣けてくる。でも「あそこの島はなんだ」「ばかやろう!仁徳天皇陵じゃないか」のやりとりにはちょっと笑う。
第二次関東大震災の描写も圧倒される。東京一極集中人口過密は、やばい。
映画とか漫画とかにも接することなく前情報無しだったので、沈みゆく島から脱出するサバイバルもの、「ポセイドン・アドベンチャー」のようなものを想像していたのだけれど。
もっと、大きかった。沈み始める前から、沈んだ後まで見据えての「日本人総避難・総移民プロジェクト」。
あらゆるものが詰まっている。一昨年の「シン・ゴジラ」を連想しました。国家滅亡の危機、と言う意味では「進撃の巨人」にも通じるけれど、しかしその二つを合わせたよりもまだ、大きい作品でした。

東寺再び2018/02/22 00:36

弘法茶、というのは眉唾だと思ったけど(こういうのはちゃんとした資料に基づいているのか「安倍晋三記念小学校」と同種のものなのか判別が…)、眼精疲労に効くというのは魅力で、和風ハーブと称する見た目枯草みたいなお茶を購入。
夕飯後のデザートに、この浜茶と、干し柿。

2月、しかも曇りがちな日でしたが、紅白黄の梅は可愛らしく。
昨年12月に行ったばかりで、どうせ再訪するならもっと気候の良い時期を選びたいところですが、「京の冬の旅」企画はシーズン・オフに平素非公開なモノを披露して集客を図るもの。
大河ドラマにちなんで、西郷が鳥羽伏見戦争の時に上ったという(役得だなあ!)五重塔の内部公開!!中に入れるのかと思ってタイツの上に厚手の靴下履いてきたのに、四方の扉から見る形で。
講堂と同様、ここも立体曼荼羅。再々々建された、江戸時代の五重塔。壁天井柱の彩色はだいぶ褪せている。何とかして復元してもらえないかな。
そして、わざわざ今日有給取ったのは、21日はお大師さんの月命日を口実に市が立つから。
これが、楽しい。可愛い(けどお高い)お茶碗、手作り鞄、手染めの洋服、奈良の靴下屋さん、骨董品、アクセサリー、食べ物屋さん……
いろんなお店をヒヤカシて、ウキウキだ。