「日本沈没 第二部」2018/05/06 00:27

小松左京。と、谷甲州の合作だそうで。
第一部が大変面白かったけど、第二部の方はイマイチ思っていたのと違ってなかなか読み進めず、まとめて時間取ってやっつけるつもりでした。
できれば、沈没してから二、三年後ぐらいの生き残った彼らの姿(移住編!)を読んでみたかったんですが、これはもっと飛んで25年後の世界。
一部に比べて格段に評価が下がってしまう本書でありますが。
まず、登場人物にあんまり感情移入できない。人物描写が下手っていうかおざなり。
そして、全体的に殺伐としています。
一部は、地球規模の自然現象に対する畏敬の念と、それに翻弄されながらも懸命に抗おうとする小さな日本人たちの姿が感動だったのです。もちろんキレイごとばかりではないのですが、基本はヒューマニズム。自衛隊は命がけで救助活動をする存在だったのに、銃撃戦するようになってしまうなんて・・・・
中国と米国の印象がとってもダーティ。2006年刊行だけど、「米国ファースト」公言されるこんにちにおいて、ナショナリズムによるエゴイズムに、説得力があります。
殺伐した世界で、国土を失った日本に残された武器は、人材と、それが生み出す技術。
そして、己の利益に固執して姑息に立ち回るより、公明正大情報公開して辛抱強く他と協調する道こそが、その武器を最大限に生かせるのでした。
でも、最後にみんなで歌ってるのが「君が代」ってのが違和感ありすぎ。日本のカルチャーとして未来に残されたのそれですかっ!!

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