半日奈良 ― 2018/10/06 01:27
お天気が微妙だったので折り畳み傘も持ったけど、電車(JR宇治から奈良まで30分少々)の中で薄日が差して、歩き回るにはやや暑いほどに。
駅から観光客の流れに乗って、三条通で昼食をとり、興福寺へ。東金堂の仏像の数々に大興奮。思ったより近い、明るい、じっくり拝める。写実的で今にも動き出しそうな維摩居士、袖のひらめく感じとか躍動感あふれる四天王(平安時代にこの表現力!)、個性豊かな十二神将。本尊の薬師如来そのものは悟りを開いたシンプルなお姿で、でもバックに背負ってるのが絢爛豪華な極楽浄土。
それから国宝館へ。阿修羅像が大変有名になりましたが、八部衆の中には彼以外にも憂いをたたえた少年像が何体かある。誰の趣味なのだろう。十大弟子像はもっと表情豊かで、「うーん、どうしようか」と言わんばかりの困り顔が結構ある。
通常四天王とかに踏みつけられている邪鬼が何故か格好つけて立っている像は、土産コーナーでフィギュア販売されていた(阿修羅や御仏をさしおいて)。
5メートルを越える千手観音は花や弓矢や色々手にしているけど、その中に、棒に突き刺したしゃれこうべ……仏像は国宝展や東寺で昨年たっぷり見たのに、まだまだ面白いのがたくさんあるものだなあ。
本当言うと、興福寺には中金堂(本堂)の再建後を狙って訪れるつもりだったのだけど(それに合わせて色々催される)。翌々日の大々的お披露目を前に、照明音響の機材にパイプ椅子の列。設営準備に庭園の整備、活気があるというか慌ただしいというか。
建物はほぼ出来上がっているけどお屋根のシャチホコ(シビっていうのか)は覆いを被せたままで、半開きの中央扉からご本尊をチラ見するのみ。
完全にフライングだけど、観光地にはなるべく平日に行きたかったからなあ。
台風であちこち荒み鹿が鳴く中を、春日大社へ向かう。今年創建1250年、一昨年リフォーム完成したてで朱が鮮やか。この時期はキンモクセイが香るけど、藤の季節の方が絶対いいなと思わせる。万灯籠を再現したミラーハウスが神秘的。
半日観光後、柿の葉寿司を買って帰宅。
興福寺も春日大社も、パンフレットの説明が丁寧でわかりやすい。そしてなんか、おおらか。鹿の国だからかなあ。東金堂はれっきとした国宝建築物なのに、表に小学生の習字(一人一文字、たぶん経文)が貼り出され、婆ちゃんが新聞紙しいてヤカンで花器に水注ぐ、普通っぽい感じが良いと思いました。
駅から観光客の流れに乗って、三条通で昼食をとり、興福寺へ。東金堂の仏像の数々に大興奮。思ったより近い、明るい、じっくり拝める。写実的で今にも動き出しそうな維摩居士、袖のひらめく感じとか躍動感あふれる四天王(平安時代にこの表現力!)、個性豊かな十二神将。本尊の薬師如来そのものは悟りを開いたシンプルなお姿で、でもバックに背負ってるのが絢爛豪華な極楽浄土。
それから国宝館へ。阿修羅像が大変有名になりましたが、八部衆の中には彼以外にも憂いをたたえた少年像が何体かある。誰の趣味なのだろう。十大弟子像はもっと表情豊かで、「うーん、どうしようか」と言わんばかりの困り顔が結構ある。
通常四天王とかに踏みつけられている邪鬼が何故か格好つけて立っている像は、土産コーナーでフィギュア販売されていた(阿修羅や御仏をさしおいて)。
5メートルを越える千手観音は花や弓矢や色々手にしているけど、その中に、棒に突き刺したしゃれこうべ……仏像は国宝展や東寺で昨年たっぷり見たのに、まだまだ面白いのがたくさんあるものだなあ。
本当言うと、興福寺には中金堂(本堂)の再建後を狙って訪れるつもりだったのだけど(それに合わせて色々催される)。翌々日の大々的お披露目を前に、照明音響の機材にパイプ椅子の列。設営準備に庭園の整備、活気があるというか慌ただしいというか。
建物はほぼ出来上がっているけどお屋根のシャチホコ(シビっていうのか)は覆いを被せたままで、半開きの中央扉からご本尊をチラ見するのみ。
完全にフライングだけど、観光地にはなるべく平日に行きたかったからなあ。
台風であちこち荒み鹿が鳴く中を、春日大社へ向かう。今年創建1250年、一昨年リフォーム完成したてで朱が鮮やか。この時期はキンモクセイが香るけど、藤の季節の方が絶対いいなと思わせる。万灯籠を再現したミラーハウスが神秘的。
半日観光後、柿の葉寿司を買って帰宅。
興福寺も春日大社も、パンフレットの説明が丁寧でわかりやすい。そしてなんか、おおらか。鹿の国だからかなあ。東金堂はれっきとした国宝建築物なのに、表に小学生の習字(一人一文字、たぶん経文)が貼り出され、婆ちゃんが新聞紙しいてヤカンで花器に水注ぐ、普通っぽい感じが良いと思いました。
二葉葵上下鴨 ― 2018/10/07 13:10
家を出るときは雨が止んで夏のように強い日差しが差してきたのに。
出町柳の駅から上がると、地上は曇り空。下賀茂神社のころはまだ大丈夫だったけど、そこからバスで移動の途中から強く降り出した。
降ったり止んだりのお天気の中で、上賀茂神社は初めて。下賀茂とは、祭神様が子供(上賀茂・加茂別雷神社)と母親・祖父(下賀茂・加茂御祖神社)という関係だというコト。お手洗いが広くて木の香りがして。
残念ながらこの日は野外コンサートが催されることになっていて、音響設備パイプ椅子設置され細殿や立砂は横っちょからしか見られない。
その代わり、特別拝観(600円)で、神職の方からの解説付で中まで入れる。下賀茂もそうだけど、国宝の本殿・権殿は賽銭箱からだいぶ奥まったところにあってちょっと物足りなく感じていたから。
次は、お社の改修も完成して、晴れた日に参拝したいものです。
出町柳の駅から上がると、地上は曇り空。下賀茂神社のころはまだ大丈夫だったけど、そこからバスで移動の途中から強く降り出した。
降ったり止んだりのお天気の中で、上賀茂神社は初めて。下賀茂とは、祭神様が子供(上賀茂・加茂別雷神社)と母親・祖父(下賀茂・加茂御祖神社)という関係だというコト。お手洗いが広くて木の香りがして。
残念ながらこの日は野外コンサートが催されることになっていて、音響設備パイプ椅子設置され細殿や立砂は横っちょからしか見られない。
その代わり、特別拝観(600円)で、神職の方からの解説付で中まで入れる。下賀茂もそうだけど、国宝の本殿・権殿は賽銭箱からだいぶ奥まったところにあってちょっと物足りなく感じていたから。
次は、お社の改修も完成して、晴れた日に参拝したいものです。
京都の秋・若いヴァイオリニスト ― 2018/10/07 13:13
濡れて歩き回って疲れ、心地よいモーツァルト(「ドン・ジョヴァンニ」序曲)にウトウトしてきたのが、ハッと蘇る感じ。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 ニ長調。前にも聴いたことがあったけど、今回の方がソリストが断然私の好みだ。服部百音さん、プロフィール見ると99年生まれなのでまだ十代。真紅のドレスに汗ふくハンカチも同色で、なかなかエモーショナルな演奏をしてくれました。アンコールはイザイ・無伴奏ヴァイオリン第2番第4楽章より。
メインは、自由で妖しげな「幻想交響曲」。
「京都の秋・音楽祭」における、大阪フィルハーモニー交響楽団の京都特別演奏会。この手のイベントではチケットのお値段はやさしめで、ただし私の好きな演奏者は出演していなかったり、注目される若手奏者が出演していたり。
終演後に服部さんのサイン会。……私もCD買って列に並べば良かったかなあ。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 ニ長調。前にも聴いたことがあったけど、今回の方がソリストが断然私の好みだ。服部百音さん、プロフィール見ると99年生まれなのでまだ十代。真紅のドレスに汗ふくハンカチも同色で、なかなかエモーショナルな演奏をしてくれました。アンコールはイザイ・無伴奏ヴァイオリン第2番第4楽章より。
メインは、自由で妖しげな「幻想交響曲」。
「京都の秋・音楽祭」における、大阪フィルハーモニー交響楽団の京都特別演奏会。この手のイベントではチケットのお値段はやさしめで、ただし私の好きな演奏者は出演していなかったり、注目される若手奏者が出演していたり。
終演後に服部さんのサイン会。……私もCD買って列に並べば良かったかなあ。
「カメラを止めるな!」 ― 2018/10/13 22:45
製作費数百万円で興収ウン十億円って、ある意味ハリウッド大作手掛ける以上にクリエイターにとって「してやったり!」感強いんじゃなかろうか。
話題の映画。
正直、最初の30分は辛い。内容が、ではなくて。カメラがグラグラ揺れるブレブレ画面が苦手で、気持ち悪くなってしまうから。しかし、それはただの演出ではなくてちゃんと意味がある。この30分間で「なんか不自然」と思った要素は全て後で説明がつく。
こういう作りは、リピーターも出るよなあ。
一言で言うと、ゾンビ映画を作るお話。クオリティの高い作品にしようと真面目に情熱を傾けることの、
ウザさ、
ままならない現実、
滑稽さ、
を描いたうえで、
でもやっぱり、熱いよ!
と思わせる。良質なコメディだと思いました。
話題の映画。
正直、最初の30分は辛い。内容が、ではなくて。カメラがグラグラ揺れるブレブレ画面が苦手で、気持ち悪くなってしまうから。しかし、それはただの演出ではなくてちゃんと意味がある。この30分間で「なんか不自然」と思った要素は全て後で説明がつく。
こういう作りは、リピーターも出るよなあ。
一言で言うと、ゾンビ映画を作るお話。クオリティの高い作品にしようと真面目に情熱を傾けることの、
ウザさ、
ままならない現実、
滑稽さ、
を描いたうえで、
でもやっぱり、熱いよ!
と思わせる。良質なコメディだと思いました。
「三度目の殺人」 ― 2018/10/18 22:04
土曜プレミアムを録画。
ホームドラマのイメージな是枝監督、こんな作品も作るのかー。
物語の構成要素一つ一つは、よくあるサスペンスもの2時間ドラマみたいなのに。
特異なのが、役所広司演じる被告人のキャラクター。カラッポの器。
彼が語るのは真実ではない。
彼の行動に積極的意思はない。
相手が望んでいること、そうであってほしいと期待していること。
誰かの都合に沿って動く。たとえそれが犯罪でも。殺人でも。
それでいて(だからこそ、かな?)他者の生殺与奪を握る強者に憧れていたり。
そんな人物を作り上げておいて、そのバックグラウンドについて分かり易い説明を用意していない。
ただし、その対極として、逆境覚悟で真実を述べようとする少女を置いている。
逆に言えば、真相なんて取るに足らないものと、斜に構えて流されっぱなしな生き方を突き詰めれば、あんなカラッポな人物像ができあがるってことなのだろうか。
分かるような分からないような微妙なモヤモヤのある映画だ。
ホームドラマのイメージな是枝監督、こんな作品も作るのかー。
物語の構成要素一つ一つは、よくあるサスペンスもの2時間ドラマみたいなのに。
特異なのが、役所広司演じる被告人のキャラクター。カラッポの器。
彼が語るのは真実ではない。
彼の行動に積極的意思はない。
相手が望んでいること、そうであってほしいと期待していること。
誰かの都合に沿って動く。たとえそれが犯罪でも。殺人でも。
それでいて(だからこそ、かな?)他者の生殺与奪を握る強者に憧れていたり。
そんな人物を作り上げておいて、そのバックグラウンドについて分かり易い説明を用意していない。
ただし、その対極として、逆境覚悟で真実を述べようとする少女を置いている。
逆に言えば、真相なんて取るに足らないものと、斜に構えて流されっぱなしな生き方を突き詰めれば、あんなカラッポな人物像ができあがるってことなのだろうか。
分かるような分からないような微妙なモヤモヤのある映画だ。
「日日是好日」 ― 2018/10/21 15:53
二十歳でお茶を習い始め、その後の二十数年間お茶と寄り添ってきた人生。
先月お亡くなりになった樹木希林さん。自由で面白いお婆ちゃんってだけじゃなくて、本気で大女優なんだ。一夜漬けとは思えないお茶の先生っぷり。
そのベテランに対して、若手の黒木華が主演。監督は大森立嗣。これだけで観に行きたいと思わせた映画ですが、想像以上に傑作。
もしかしたら、ちゃんとその道を稽古している人にはまた違って見えるのかもしれませんが。
私には、映し出される色々が、大変美しく見えました。一つ一つの所作、茶碗を始めとする道具類、お着物、お庭、お花、掛け軸、お菓子、冬の海、激しい雨、女の子たちのはしゃぎ合い。……パンフレットに掛け軸やお菓子などの一言解説があったので、それを頭に入れつつ見直してみても面白いかもしれない。
凛とした様を描くのと並行して、ヒロインの不器用で自分の欠点を数えるままならない生き方を見せるのです。かけがえのない「良い日だ」と。
先月お亡くなりになった樹木希林さん。自由で面白いお婆ちゃんってだけじゃなくて、本気で大女優なんだ。一夜漬けとは思えないお茶の先生っぷり。
そのベテランに対して、若手の黒木華が主演。監督は大森立嗣。これだけで観に行きたいと思わせた映画ですが、想像以上に傑作。
もしかしたら、ちゃんとその道を稽古している人にはまた違って見えるのかもしれませんが。
私には、映し出される色々が、大変美しく見えました。一つ一つの所作、茶碗を始めとする道具類、お着物、お庭、お花、掛け軸、お菓子、冬の海、激しい雨、女の子たちのはしゃぎ合い。……パンフレットに掛け軸やお菓子などの一言解説があったので、それを頭に入れつつ見直してみても面白いかもしれない。
凛とした様を描くのと並行して、ヒロインの不器用で自分の欠点を数えるままならない生き方を見せるのです。かけがえのない「良い日だ」と。
「アンゴルモア 元寇合戦記」 ― 2018/10/25 23:48
自分、戦記物好きだなあ。
教科書にもある「元寇」を、緒戦の舞台・対馬を中心に持ってきて描く。歴史の隙間を、想像や対馬の伝説も交えて物語にする。奇襲あり、裏切りあり、攻城戦あり。
歴史ものは、結果(惨敗)が分かっているからこそ切り口や見せ方が重要。「一所懸命」、命懸けで己の戦をすることに意義があるって考え。……殺されたり連れ去られたりした人たちにとってはそれで納得できるかどうかは疑問だけど。
ハマって観ていた夏アニメ。粗い部分もあったけど、演出が上手くて続きが気になる構成。原作漫画も読んだけど、全10巻から要所を拾い上げたアニメ版見た後だと、冗長に感じるくらい。セリフや見せ方もイイ感じに変えてあって。
画が付くと、モンゴル軍の多民族多国籍部隊なのがよく分かる。キューピー人形みたいな前髪しているけど、恐ろしい敵なのだ!
アニメで端折られたのはほとんど過去回想なので無くても対馬での戦は理解可能だけど、でもそんな裏話が気になって原作も買ってしまう。端折られエピソードで興味深かったのは、たとえば鎌倉武士のチンピラっぷり、北条時宗の腹黒さ。
そして、高麗視点。結構なページ数で、まるまる一話、それだけでひとつの短編作品になるくらいしっかりと描かれている。彼らのやるせなさを。
今年高麗建国1100周年。「風濤」をまた読み返してみようかな。
教科書にもある「元寇」を、緒戦の舞台・対馬を中心に持ってきて描く。歴史の隙間を、想像や対馬の伝説も交えて物語にする。奇襲あり、裏切りあり、攻城戦あり。
歴史ものは、結果(惨敗)が分かっているからこそ切り口や見せ方が重要。「一所懸命」、命懸けで己の戦をすることに意義があるって考え。……殺されたり連れ去られたりした人たちにとってはそれで納得できるかどうかは疑問だけど。
ハマって観ていた夏アニメ。粗い部分もあったけど、演出が上手くて続きが気になる構成。原作漫画も読んだけど、全10巻から要所を拾い上げたアニメ版見た後だと、冗長に感じるくらい。セリフや見せ方もイイ感じに変えてあって。
画が付くと、モンゴル軍の多民族多国籍部隊なのがよく分かる。キューピー人形みたいな前髪しているけど、恐ろしい敵なのだ!
アニメで端折られたのはほとんど過去回想なので無くても対馬での戦は理解可能だけど、でもそんな裏話が気になって原作も買ってしまう。端折られエピソードで興味深かったのは、たとえば鎌倉武士のチンピラっぷり、北条時宗の腹黒さ。
そして、高麗視点。結構なページ数で、まるまる一話、それだけでひとつの短編作品になるくらいしっかりと描かれている。彼らのやるせなさを。
今年高麗建国1100周年。「風濤」をまた読み返してみようかな。
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