「散り椿」2018/11/10 16:44

しばらく前に見た映画。なのだけど、感想を述べにくい作品。面白い/詰らないの前に、「もったいないなあ」が出てくる。
木村大作監督は本職キャメラマンで、何気ないシーンでも完璧に美しい画に映す。雪も山も、素朴でいて静謐な日本の美。それなのに、肝心の散り椿、何故にあんな甘ったるい造花を作ったのか。文庫本やパンフレットの表紙に使われている速水雪舟の散り椿(重要文化財)はとても格好良いのに。少女マンガか結婚式場の装飾みたいな可愛らしい前で、親友同士が刃を交えるシリアス場面が、全然映えない。
この監督、変な甘さが入る。冒頭で主人公が暗い雪の中刺客を切って捨てる、そのすぐ後に奥さんとまるで新婚夫婦のようにベッタベタにイチャイチャ始めたり。
おかしい。原作が昨年逝去の葉室麟、脚本・小泉堯史、実力派俳優陣にこだわりのセット・ロケ撮影に、チャンバラもある、豪華時代劇なのに。もったいないなあ。

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