「ひろしま」2019/08/25 15:25

人々は精神が極限状態になると、それを分かち合い一体となるために共に歌うのだ。
しかし同じNHKで放送されながら、「いだてん」のメダルラッシュで歌われる君が代と、原爆で焼かれて川に逃れた少女たちの君が代の、なんという落差。
怖いもの見たさもあって視聴したので、わかってはいたけど怖い映画だ。
そして、傑作。公開は原爆投下からたった8年、まだ人々の記憶も生々しい時期に広島で撮影(広島や宮島は自分昨冬行ったっばかりだ)、当時は朝鮮戦争の頃で自衛隊の前身も生まれ、翌54年にはビキニ沖で漁船が核実験被爆。
朗読劇から始まり、高校の教室(被爆体験のある人とない人の入り混じる)で彼らの思いが語られ、1945年8月に舞台は移り、地獄絵図。それぞれの地獄を描く群像劇からやがて一人の少年に焦点が絞られ、月日が流れて、最初の高校へ繋がる。
ヒロシマを扱った作品は絵本に童話に漫画にアニメに、さまざまあるけど、「ひろしま」実写の絶望的な生々しさは、凄い。白黒映画なのがかえって実録映像みたいで。もちろん作りモノなのは分かっているのだけど、当時この映画観たひろしま人のみなさんどう思ったのだろう。
高校パートになると説明や語りが増えてくる。それでも語りつくせはしないのだろう。
死者たちの行進が、止まる日がくるのだろうか。

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