大阪クラシック2019、最終日は月明かり2019/09/15 01:01

昨夜が中秋の名月だったけど、月齢的には今夜の方が丸く見える。雲一つない夜空の望月涼やかな風虫の鳴く声ほろ酔い気分。

11:00から大阪市役所。大阪出身のヴァイオリニストで作曲家・貴志康一って全然知らないけど生誕110周年なら最近の人か。と思ったら、わずか28才でこの世を去っているので活躍時期は戦前戦中だ。
そのヴァイオリンソナタを聴けば、すぐに感じるニッポン風。メロディがくっきりして聴きやすく、日本の童謡・唱歌を連想する。およげたいやき君的な、明るい哀愁が魅力的。アンコールの「竹取物語」もまた素敵で、惜しい才能を早くに亡くしてしまったのだなあ。

13:00から本町でチェロ四重奏。石田聖子さんは初日のメンデルスゾーンや三日目のハープとのデュオも聴きに行ったけど、今年も大阪クラシックたくさんご出演だ。
一曲目テレマンのソナタは元々ヴァイオリンカルテット用の曲をチェロ編曲したもので、素朴でかわいいけれど、やっぱり元々チェロ用に作られた曲の方がチェロの特性・技巧を楽しめる。フィッツェンハーゲンさんは知らなかったけど、クレンゲルの即興曲はフィナーレが有名。
チェロも四本もあれば結構な音量で、特に花崎さんの技量を堪能。

15:00に中之島ダイビルでモーツァルトの弦楽四重奏「プロシャ王第二番」
そういうイベントだって分かっていますが、演奏中にお子様は叫びたいのでした。私自身がモーツァルト曲しっかり聴けてないのも、あるんだ。

18:00には市役所まで戻って、恒例の野津さんのフルート。バッハ次男のソナタイ短調に、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲の2番ニ短調。アンコールの「アルルの女」。
癒しの音色だ。

19:15に今年のラストは、ベートーヴェンの3番「英雄」。チェロやコンバスを指揮者の左側に配置しての演奏。
ベートーヴェンが偉大なのか、フェスティバルホールの音響技術の賜物か、コンマスの優秀さか。それらもその他も全部引っ掴んでどんどん持ち上げていく、大植英次のテンションのあの高さはなんなんだろう。二楽章なんて葬送行進曲、基本辛気臭い曲を、とっても心地よく聴かせてしまうのって……
アンコールの日本の童謡で指揮棒渡されていたのって、多分最近入団の須山さんか。慣れない振りっぷりと、周囲に頭下げすぎで笑える。そして八木節でみんなで手拍子打って、おしまい。

全81公演中、今年は12公演聴きに行って。
プロデューサーの大植さん、演奏者の皆様、ボランティアスタッフの皆様、ありがとうございました。今年も楽しませていただきました。