「US」2019/10/08 00:28

つい最近読んだものだから、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を連想してしまう。監督・脚本のジョーダン・ピールは、ああいう春樹ワールド好きかもしれない。地下の世界と、陰謀と、そこで蠢くモノたち。
始まりは、ちゃんとホラー映画。ドッペルゲンガーもので、もう一人の自分が襲い掛かってくる。鏡映しの己自身が最大の恐怖。
しかし、途中からは、不条理モノ。村上春樹は不条理や理不尽をわりと淡々と受け入れて憂いに沈むけど、米国映画はそうはいかない。己の居場所を守るために血みどろの戦いを繰り広げるのだ。
大量のウサギちゃんたちとか、赤い服で手をつなぐイメージとか、エレミヤ書11章11節とか、鑑賞後にパンフレットでようやく意味が分かる。
社会の矛盾と罪。結構真面目な問いを、ギリギリ、エンタテイメント性の枠に入れてきている。

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