「プレゼント」2020/04/02 23:14

懐かしくって再読。若竹七海のミステリは、ときどき無性に読みたくなる。
NHKのドラマ版は主人公が必要以上にぶっきらぼうで態度悪くて首を傾げたのですが、可愛らしさよりシニカルを全面に出す姿勢はよく伝わります。そう、このシリーズは葉村のキャラクターが命。
ドラマ版は第一話のみ中公文庫から、それ以降のお話は文芸春秋社から。
初めて読んだのは確か私が高校生の時、葉村はまだ二十代半ばのフリーター。他の探偵キャラと変わりばんこで主人公をやる短編集で、表題作の「プレゼント」も彼女が主役じゃなかった。それが出版社を変えて単独主役の短編集「依頼人は死んだ」が、さらに長編の「悪いうさぎ」まで出て、正直嬉しかった。
気に入りのキャラクターだったのです。昔読んだときはタフでクールなイメージが強かったけど、改めて読むと結構情に篤く義理を重んじる人物だと思いました。
女探偵が挑むのは、事件と言うより、狂気だと思う。あるいは極端なエゴイズム、当人は真剣に自分に正当な言い分があると信じて他者を攻撃し踏みにじる。その姿は滑稽でもあり危険でもありおぞましくもある。葉村はそれに振り回されたり首をつっこんだりして、実はけっこうダメージを負います。
傷つくから共感が生まれ、それでも潰れないから応援したくなる。

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