「星の子」2020/10/16 23:35

ワケわからん。世の中には、そう言いたくなることが、いっぱいある。
中学三年の数学、昔やったはずなんだけど、きちんとしたロジックでできてるんだってことも理解しているけど、やっぱり謎のお経だ。
たとえ、数学教師がイケメン・岡田将生だったとしても。

大森立嗣監督は、今年は「MOTHER」に続いて、またも特異な親子関係を扱ってきました。でもこちらの方が、もっとずっと、優しい狂気である。
映像的には、起承転結の「転」の盛り上がる所でアニメーション表現は、賛否分かれそう。主人公の少女の夢見がちな気質に合ってるといえば、合っているんだけど。
ちゃんと、芦田愛菜さんの演技で表現して欲しかった気もする。数年前にも彼女の主演映画観に行って、上手いなあと思いましたが、今の方がもっとずっと、可愛いっていうか、印象的だ。幼いころから大人世界でもまれていくと、こんな、知性と感受性を兼ね備えた目をするようになるのかなあ。
親が宗教にハマって姉ちゃん家出、と言う特殊な家庭で育ったちーちゃん。それでも、両親に愛され、友達がいて、宗教行事は怪しげだけど楽しげでもあって。特殊で不可解ではあっても、大事なところはちゃんと押さえているのは、伝わる。
全身に赤い発疹、泣き続ける赤ちゃん。これがどういうわけか奇跡的に治癒したのだから、親御さんが謎の水の力を信じてしまうのも無理ないかも。
何よりも、教団若手幹部が黒木華と高良健吾って、強すぎるぞ。彼が焼きそば作ってくれるんなら入信したくもなるよ。

「僕たちと駐在さんの700日戦争」2020/10/18 17:11

夏、昭和の田舎の物語。700日ってあるけど本編で語られるのは三カ月間くらいかな。
2008年の映画で、主演の市原隼人が、高校生。佐々木蔵之助も麻生久美子も若い。しかし、竹中直人だけは今とあんまりイメージ変わらない。
イタズラ大好き高校生たちが、交番の駐在をからかって、駐在がやり返す。成人式でいらんハシャギかたするのってこういう奴らなんだろう。今どきの高校生たちが、共感を覚えるものだろうか。今時の中年たちが、ノスタルジーを感じるものだろうか。
それでも、この調子でくだらない攻防を貫いてくれたほうが良かったなあ。クライマックスを作るために、不良少年と病気の子供とか、なんかベタな展開を持ってきてしまった。
コメディと割り切ればゆるく鑑賞するだけだったのに、友情と絆の物語に持って行くと返って引いてしまった。

「鬼滅の刃 無限列車編」2020/10/25 22:30

いろんな意味でなんか、もの凄いコンテンツになってしまっている。
原作未読。でも昨年のTVシリーズが格好良かったので劇場版も楽しみにしていました。
今回は敵が催眠術/精神攻撃系だったので、キャラクター掘り下げる意味では面白いけどアクションは比較的大人しめかな。
と、思ったら。本番はその後からやってきたのでした。ポスターに騙された感じ。主人公は市松模様の少年じゃなくて、炎の人でした。序盤でもりもり駅弁食べまくっていた人が、こんなにも感動を呼ぶなんて思いませんでした。
この作品は、各要素はどこかで見たこと聞いたことあるよな感じでうんと斬新ってわけじゃないのに、それをここまで盛り上げることができるんだなあ。
炎の兄貴大プッシュのエンドロールのあと、劇場で配布している読み切り漫画「煉獄零巻」を読むと、また胸にぐっとくるのでした。

ゆったりベートーヴェン2020/10/31 17:21

フェスティバルホールに来るのも久しぶり。
という年配のご婦人の声。お年寄りだって引きこもってばかりだと、ウイルス感染は避けられても別の不都合が生じてくるからね。

大阪クラシックもそうですが、何らかのイベントがらみのコンサートはオーケストラの主催公演よりもちょっとお値段ひかえめで、その代わり演奏時間は短めだったりします。
今回の「大阪府文化芸術創出事業 大阪4大オーケストラ名曲コンサート2020」もその類で、アンコールと休憩時間なしの70分公演。
時間短縮は例のウイルス警戒の意味もあるようで(70分でも2時間でもたいして変わらないと思うけど)、しかし客席は市松模様のところもあればちゃんと詰めているところもあって、あれはどういう意味があるんだろう。招待席?

名曲「英雄」と「運命」の間にあって、ベートーヴェンの交響曲4番はなんか地味な印象でしたが、生で聴くとどうか!……やっぱり地味な印象でした。最後の第4楽章だけは始めから最後までアップテンポでしたが、全体的にスローテンポに思いました。特に冒頭ゆったりゆったり溜めを作って、それを打ち破って軽快なメロディーを持ってくる。
 勢いで引っ張らずにじっくり音を聴かせてくるのは、もしかしたら指揮者(栗辻さん、お若い感じの方)もしくは日本センチュリーの演奏方針なのかもしれません。
何度も聴いてきた「運命」も、幾分スローな感じがしましたから。
それでも、やっぱり4番に比べれば5番の楽曲としての格好よさは際立つのでした。
ベートーヴェンの交響曲、1、2番は7月に(簡易版だけど)を聴いたので、これで生で聴いたことないのは9番のみ。さて、年末の風物詩、今年はどうなるかな?!