「ポアロとグリーンショアの阿房宮」2021/09/08 22:19

2014年に発表された、アガサ・クリスティーの新作。
未発表の中編作品(別の長編作品の原型)によって、死後何十年経ってもお孫さんに一稼ぎさせてあげるなんてねえ。薄い文庫本に、解説文がたっぷり。
阿房宮(folly)って聞きなれない単語ですが、お庭の中の四阿みたいなもんかな?グリーンショアというのは実際にクリスティーが所有していた田舎の邸宅がモデルだそうです。さらに著者の分身と思われる準レギュラー・オリヴァ夫人(リンゴ好き推理作家)も登場し、「なんか分かんないけど事件が起こりそう」っていう曖昧な理由でロンドンから名探偵を呼び出します。まあ、金持田舎オヤジに若い美貌の奥さんって設定だけで、事件起こりそう。
英国の田舎は美しく、闇が渦巻く。戦後の混乱があったとはいえ、闇がさらに闇を生み続ける、おなじみの構図。

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