「川っぺりムコリッタ」2022/10/02 22:54

観ていてお腹の空く映画。ハイツムコリッタの面々で「僕お金ありません!」とスキヤキを囲む場面はもちろん、何気ない炊きたてご飯とかイカ塩辛とか夏野菜とか。普通の食卓が美味しそう。
こういうのを飯テロっていうのか。荻上直子監督作品におなじみのフードスタイリスト・飯島奈美のプロのお仕事。
登場人物たちのバックグラウンドについて具体的に深く掘り下げることはありませんが、松山ケンイチ演じる主人公の前科者も、勤め先の社長も、隣人も、けっこう自分の感情や考えを言葉にしてくれます。荻上監督の代表作「かもめ食堂」に比べるとかなり分かり易い。
基本的には緩い空気の作品ですが、テーマは、死。流れる川は、三途の川というよりも、ガンジス川のイメージでした。人々に寄り添いつつ、時に荒れて押し流す。ムコリッタ、というのが仏教用語(時間の単位)と一番最初に説明されているから、なおさら。
ラストの珍妙にして温かい葬列シーンが、じわじわくる。音楽(パスカルズ)も絶品。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mimikaki.asablo.jp/blog/2022/10/02/9530364/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。