「ベーコン」2025/11/08 23:15

豊国神社のライトアップショーを観に行く。ああいうのは、正面真ん前で鑑賞しないと面白さは伝わりにくいのではなかろうか。最後の踊りは舞台が低くて後ろからは全く見えず。あと、上に掲げるスマホも邪魔で。もう少し待てば最前列近くまで寄れたと思うけど、帰っちゃった。


人の世は、形あるものと形の無いもの、二種類でできている。しかしながら、実際は、形あるものに形無いものが投影されたり、形の無いものを受け止めるために何らかの形を要したりする。
私は、両者をわりとキッパリ切り離して考えがちなのが、良くないのかなあ。
2009年6月刊、集英社文庫。井上荒野の短編集は、十編すべて食べ物が題名になっている。食べ物に、男と女(ときおり、その子供)の微妙な不安感や愛情が寄せられる。
表題作の「ベーコン」では、主人公の女性が四歳の時に家を出た母親と、その恋人である男の育てた豚に、主人公が彼らに対する意識、特別な思いが繋がれている。
人の手によって差し出された食べ物が、人の中に呑み込まれる。元々の形は失われても、別の形の無いものが生み出される。
形の無いものの描き出す手法が、絶妙だ。

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