「火垂るの墓」2018/04/14 00:54

金曜の晩から、ずーーーんと気分が重くなる金曜ロードショウ。
アンデルセン賞受賞で魔女宅が放送されるかと思っていたら、突然の訃報。
で、何年振りかで観ていたのですが、案外中身覚えているものです。ストーリー自体はシンプルだからか、作品の力ゆえか。
せっちゃんの可愛さに騙されそうですが、結構キツイ。冒頭から死んでる主人公、母親の無残な姿、ころりと死ぬ蛍、幼子の衰弱していく様。
子供向けアニメでシビアで悲しい結末って「フランダースの犬」が有名ですが、しかし、ノリと笑い重視な最近は、そういうのあるのかなあ。「コナン」や「ワンピース」にも可哀想エピソードはあるものの最後は明るく締めるから。
はたから見れば確かに幼児と遊んでる日常なセイタ君。居候暮らしの肩身の狭さを耐えることのできなかったお兄ちゃん。
妹を大切に思っていたことは確かだけど。
それに逃避した面もあるのだろうなあ。
彼だって辛かった、大切な妹と美しい思い出にすがらざるを得なかった……

「宇宙よりも遠い場所」2018/03/22 00:18

ファンタジーではないけど非日常。「南極料理人」とか「氷山の南」とか、冒険も青春もできちゃう舞台としてその地位を築いてきたのでありますが。
かわいい女の子4人が観測隊に交じって極寒の南極へ。
とっぴな設定だ。女子高生が現ナマで百万円持ち歩いているし。しかしそれなのに、何故か嘘くささを感じさせない。昭和基地や砕氷船や、南極事情についてものすごく勉強して絵も内容もリアリティを追求しています。「国道」ならぬ「極道」とか面白い。
そして主役が、それぞれ個性的で愛すべき少女たちで、しかし可愛いだけではない。南極への旅の過程でそれぞれの事情が(高校中退とかお友達とのかかわり方とか母親の死とか)掘り下げられ、友情を深めていく構成。
ハッキリ言って完璧。毎回盛り上がる。練り上げられた脚本、演出の巧みなこと。
美少女がきゃっきゃとじゃれてるだけでは、可愛いだけでは、物足りない。それにプラスアルファが欲しい。
そういう要求にバッチリ答えるオリジナルアニメが稀に出てきます。昨年の「プリンセス・プリンシパル」とか。
つくづく思う。こういうの、夕方の6-7時代とか土日の午前中とかに放送しないかなあ。深夜だけってもったいない。

「言の葉の庭」2018/03/21 12:34

なかもずにいた頃飲みに行っていたお店のお姉さんは、「君の名は。」より断然こちらの方が好みだと言っていた。完全に中高生ターゲットの作品か、もう少し大人向きか、の違いはあると思います。
再視聴。「君の名は。」公開前にもTV放映されていたのを見て大いにビックリ+感動したけど、今度は新海誠展に合わせての放送だ。
少年と、女性。鬱屈を抱えた二人が、雨の日に安らぎの時間を共に過ごす。
万葉集の恋歌が美しい。
アニメーションが美しい。公園の緑が、飛ぶ鳥視線の都会の景色が、足が、降る雨の粒が。溢れる感情が。
なんてことない、普通にそこにあるものを美しく描き出す。絵だからこそ写真以上に思い切って美化できるのかもしれない。
音楽もいい。
辛いこともあるけれど、優しい気持ちになれる。

「雲のむこう、約束の場所」2018/01/03 23:52

日本は南北分断され、北海道を支配するユニオン(ソ連的な国家)と戦争間近、というSF設定。今の朝鮮半島を思い浮かべてちょっとヤな気分にもなりますが、しかしその分、色々リアルに感じることができます。
核ではなく、別次元の空間(宇宙の夢?)を持ってくるという謎のテクノロジーを研究していて、そのあたりの理論はサッパリなのですが、しかしお話の流れとしては、過不足なくって、とても完成度の高い脚本だと思いました。
前夜放送の「秒速5センチメートル」では<手に届かないどこか遠くにあるものを思う>という状況に酔ってるばかりでそれ以上前進できない感じだったのですが、「雲のむこう、約束の場所」では、壁を突破します。
主人公の少年に、頼りになるお友達がいたのが大きいですね。
少年時代の憧れ、恋愛、友情、ファンタジー、社会不安、武装地下組織に空中戦まで、盛りだくさんを美しい映像で描かれて、大満足でした。

「秒速5センチメートル」2018/01/02 23:40

2016年大ヒットの新海誠監督の、2007年作品、深夜TVで放送。
3話構成で、1話の切なさがすごく、良い。中一男子にとって、東京から栃木までの旅はとんでもなく遠距離だよねえ。しかも、電車は雪で進まない。山崎まさよしの歌が切ない。
それでも会いに行く少年、それでも待ち続ける少女。
しかしそれが、どうしてこうなった?2話の内容からてっきり彼女はお亡くなりになったのかと思ったのに、3話でちゃんと登場、しかも結構幸せそう。
逆だなあ、と思いました。「君の名は。」は二人が心通わせていく過程をバッサリカットしていましたが、「秒速」の方は二人の交流が途絶えた理由が描かれない。中一の時点ではたびたびお手紙のやり取りしていたのに、成長してケータイも持つようになってからの方が疎遠になるとか……
まあ、ありきたりに考えれば、遠くにいる人との絆を保ち続けることより身近に生じるアレコレに向き合う方を大事にしたってことなんでしょうが……
遥かな距離、ゆっくりと変化させる時の流れ、届かない思いを抱えた孤独感。

「思い出のマーニー」2017/07/15 01:33

久しぶりにのんびりと金曜ロードショー。


外国の児童文学チックが全開なお話。
としか言えないなあ。序盤に見られた、主人公アンナさんの、繊細さと鬱陶しさがいかにも少女らしい青臭さで結構良いと思いました。そこから、普通に女の子同士の友情につなげて遊んだり喧嘩したりして……でも、ファンタジーにしちゃったからなあ。
周りの大人たちの寛大さが大したものです。夜間に出歩いて度々自力で帰宅できなくなる徘徊少女に、異様に優しい。
そんなこんなで、青臭さがリアルな割に全体的にふわっとした白々しさを感じるのですが。
本当に、恵まれた子だなあって結論でいいのだろうか。
自分が嫌いなそこのお嬢さん、あなた結構愛されてますよ!

「ジョーカー・ゲーム」シリーズ2016/07/03 23:27

この小説は前から気にはなっていたのですが、アニメ版の1、2話を見て、文庫全巻購入決定です。
化け物、と呼ばれるほど優秀なスパイ組織の物語。例えるならば、「暗殺教室」の理事長先生を複数名集めたような感じ。暗示能力が非常に高いところとか。
小説は短編集で、アニメは基本的に一話完結型。どちらもすとーり粗っぽい所もあるのですが、全体的な雰囲気……妙にスタイリッシュでスマートな感じが持ち味で、それで色々誤魔化されてしまいます。
小説は第一巻が最もクールで、ミステリーとしての完成度が高いです。後になってくるほど「化け物度」が高くなるっていうか。スパイが記憶喪失になったら業務に支障が出ないわけないやん、いくらなんでも。
アニメは、全員モブ顔のイケメンというのが斬新。スパイだから個性的じゃダメなんです。性格だって全員似たようなっていうか、彼らのボス、結城中佐を若くしたよな感じで。顔と名前が全然一致しなくても、それで良しという……、むやみに「キャラ」を立てようとする昨今、かえって新鮮な設定です。
ストーリーを原作と変えているのもありますが、「誤算」なんかはアニメの方がすっきりして分かり易いとおもいました。それから、「柩」は、原作通りなんだけど原作より感慨深い……キャラに絵が付くことによる効果がビシビシです。
原作で細かい時代背景の説明、アニメで情景描写や人物描写。両方合わせてより多くを楽しめる。メディアミックスというやつの、これは理想形だと思いました。

「境界のRINNE」2016/04/26 00:40

今月から第二期放送開始、なNHKアニメ。
貧乏死神少年が幽霊退治(?)。ゆっるーいギャグで、何とも言えない安心感というか、心休まる世界。
キャラクターはみんな可愛い。中でも、桜ちゃんにメロメロです。
高橋留美子ヒロインでありながら、主人公のりんね君にオスワリ言ったり電撃やら鉄拳やらをお見舞いすることはありません。
静かに、目で殺す。
クールだけど優しい、戦わないけど頼りになる。
りんね君とくっつくようでくっつかない(早く付き合っちゃえ、と思うけどそしたら最終回だよなー)微妙な距離感にニヤニヤしつつ、週末の癒しです。

「Dimension W」2016/03/19 23:51

職場で見かける「dimension」て単語は「寸法・サイズ」くらいの意味ですが、ここでは「次元」と訳す。
日曜の晩に何気なく見ていたら、予想以上に格好良かったアニメ。原作漫画の方は全く存じていませんでした。
主人公が強くてバトル・アクションが格好良い。女の子(ロボット)がカワイイ。そしてクルマに対する愛が。クルマにまるで興味ない私でも「すごい格好良い!」と思わせる作画。
設定も私好み。「コイル」によって無限のエネルギーを得る世界。しかし未知の部分も多いモノで、かつてコイルの暴走事故によってすべてを失った主人公(たぶん30前後ぐらいだと思うのだけど、オッサンアニメ呼ばわりされてしまう)が、事故現場に舞い戻って事故当時の記憶を徐々に思い出していくところ。
さてさて、いったいどんな秘密が隠されているのか。
今大ハマりしている「僕だけがいない街」もそうですが、結構長さのある原作をギュッと凝縮させてスピード感のある見せ方イイです。ジックリ原作通りにやるのももちろん良いのですが、忠実すぎるとかえって原作本が売れなかったりするのかなあ。
要所を掴んだ脚本と演出の力があれば、色々カットしていても面白いという実例。
でも、「暗殺教室」のエピソードカットはやっぱり残念。いくら評判が良くても。こまごました小ネタも大きな魅力で、そんなこんなの積み重ねがあってこその暗殺教室の絆だと思うから。
……演出や作品の性質とかより、原作を読んでいるかいないかの差、かもしれませんが。

「ガンバとカワウソの冒険」2015/10/12 00:08

もうだいぶ記憶が朧ですが、小学生の時に読んだ原作小説が猛烈に面白かった。ガンバと15匹の仲間たち。
そしてこの秋、新たに劇場版ができたのですが、観に行くべきかメッチャ迷います。懐かしいけど原作の良さが崩れたらやだなあ、脚本が古沢さんなら期待してもイイのかなあ。
とりあえず、深夜にTV放送されていた91年の劇場作品。
これが、想像以上に、面白い!
小説読んだときには「冒険者たち」に比べて「カワウソ」は重くて暗い感じがしたのですが、アニメでは全然そんなことはなく。
仲間のシジンの婚約者を探しに島に渡るガンバ達が、カワウソたちと楽園を目指す。
ネズミたちはチョロチョロと動き回り、くるくると表情を変え、よく笑う。明るい。
それでいて、敵の野犬たちの怖さもあり、戦闘シーンもあり。
人間による自然破壊やカワウソ絶滅についても触れられていて。
カモメのキマグレのツンデレっぷりが凄まじい。
正味一時間半くらいの作品で、中身の濃いこと。
うわー、ますます、新作映画観に行きにくくなる。野沢雅子以外のガンバってありえるのか!!
キャラクターデザインのギャップ(特にガクシャ。同じメガネキャラで落差ありすぎ)に耐えられるか!