「xxxHOLiC 籠」2022/06/19 00:46

応募者全員サービスのポストカードバインダー、6月末〆切で12月発送って遅く感じるんだけど、そんなものなのかな。

CLAMP PREMIUM COLLECTION……先月観た映画の影響で、まとめて買ってしまいました。CLAMPの漫画をちゃんと購入して読むのって「X」以来かも。
意外と言うか、驚きだった点を上げると。
・極彩色華麗装飾なイメージだったけど本編はけっこう白黒シンプル。
・実はまだ、完結していなかった!
・ワタヌキ君、本格的に何でもできちゃう人なのだ。多才すぎる。
・お姫様カットの店主、顧客についてはたくさん解説してくれる。
・でも物語と主要キャラの核心に触れる部分ははっきりしなくて、思わせぶりなセリフの数々が宙ぶらりんのまま。
物語的にはひまわりちゃんに小鳥プレゼントあたりがクライマックスで、あとはシチュエーションの雰囲気と、付属のポストカードを壁に並べて楽しむ。
映画のメランコリックな世界観は、漫画の後半のイメージだったのか。
夢と現、生と死が入り混じる。
同時期に読んでいた川端康成も、今月初めに観た「犬王」もそういう感じだったなあ。

「ワールドトリガー」2022/01/29 23:15

かしこい、かわいい、かっこよい。
アクションシーンの魅力が原作比2.5倍のTVアニメが終了して、もうあとは原作漫画読むしかありません。
対戦ゲーム感のあるバトルが展開される少年漫画ですが、プレイヤーの総合的頭の良さが特徴的。ポテンシャル劣っていても、チームワークや戦術で勝利できる。小難しくなりそうなところを、楽しいキャラクターによる解説を付けてくれるシステムが上手く機能しています。
アニメの方は、番組制作の偉い人か誰かが猛烈に推しているのでしょうか。作品への愛をビシビシ感じます。第一期から何年も経ってから、令和の時代に続きをやってくれるとは。アニメ再開にあたって、かつて原作不足で入れたオリジナルストーリーをすっぱり無かったことにしているのが潔い。
この作品の最大の弱点が「ペース遅い」。作者の体調不良でしばしばお休みが挟まれるし、気長に待つしかありません。本当言うと、同じ漫画家によるSF犬漫画が私的ツボだったのでできればそっちも半年に一本くらいで読み切り描いてくれないかなあ、とも思うけど、無理なハナシだ、分かってるよ。

「ブルー・ピリオド」2021/12/20 22:29

振り返ってみると、今年はコンサートにはあまり行かず(昨年がベートーヴェン・イヤーで盛り上がったしね)、一月のロンドン・ナショナル・ギャラリー展を始めとして、美術展には割と出掛けたなあ。

アフタヌーン原作アニメは、超絶美麗作画とか人気声優大盤振舞とか、そういう派手さはないけれど、なんか丁寧な印象で、好感が持てる。エンディングに度々描き下ろしカット(原作絵)を入れて視聴者を楽しませてくれたり。たぶん細かいエピソードは端折っているのでしょうが、無理を感じさせずに上手に凝縮させて盛り上げる。作品の空気を掴むセンスがあるのだと思う。
第一話のブルーが、大変キレイでした。
青の時代、直球の青春モノ。美大受験のお話、だけど主人公はいかにもアーティストって感じの芸術爆発型ではなく、理性的な思考と熱心な努力を重ねるタイプで、観ている側も理解しやすく感情移入もしやすい。絵の楽しさに目覚め、悩んで苦しんで、たどり着いた一枚。素直に感動的。
八虎君たちのその後も気になるし、原作も読んでみたくなる。アニメと違って白黒なんだろうけど。

「おおきく振りかぶって はじまりの冬」2020/08/09 12:33

いろんな業界がオカシナことになってるんだろうけど、今年は春のセンバツも夏の選手権大会も無くなっちゃってお盆休みも(それ以前からも)盛り上がらない。

単行本が33巻まで積み上がってようやく一年生の冬っていう、本当にスローペースな高校野球漫画。この年の主な試合は前の巻で終了したので、今回はゲーム無し。
練習になると、テクニックの説明が難しいのもこの漫画の特徴。戦術説明の複雑さは練習でも試合でも。
そして、メンバーひとりひとりの描写がオイシイ。
三歩進んで二歩下がる的な投手と捕手のチグハグっぷり。
股関節のやらかい三橋。
はまちゃんの中学野球部時代と留年の理由が垣間見えたり。
泉くんの「内容によっては嫌いますけど」…ハッキリキッパリ素晴らしい。
前巻の「勝ちたい気持ち」から、花井くんの「それはいやだ」がいい。
そこからザワザワしてしまう、豪胆なくせに繊細な田島くん。毎度のことながらあらゆる意味で意識高い彼ならば、自室が片付いているのは意外なようで納得。
チーム内が色恋でモメてしまう危険は初めから潰してしまうらしい。
実質的にはほとんどのヤツに関係ないキマリだ。
そこで、ただ一人監督をキマリの対象者に入れる阿部君の合理的思考。

ほーっと漫画読んでたら、ちょっと浮上。

「彼方のアストラ」2019/09/23 23:34

三連休何をしていたのか。
アニメ放送終了後購入の原作漫画を読んでいました。全5巻、2019漫画大賞受賞作で、アニメでは省かれていた細かい説明や小ネタを拾って楽しむ。
宇宙漂流冒険漫画。散りばめられた設定やエピソード自体は、あっと驚くほど斬新ってわけじゃないけど、見せ方つなげ方が上手い。シリアスもあればコミカルもあり、楽しくて熱い旅路を描く。
アニメの方は原作よりさらに、盛り上げ度アップで、シナリオ担当者のセンスが光ります。初回のクライマックスシーンは原作漫画の方が絶対に合理的なんだけど、アニメ版の方が画的にも展開的にも熱いもんだから少々説明がつかなくってもこれで良しと言うしかないくらい。
初回と最終回一時間の拡大放送で冒険後エピローグまでバッチリボリューム満点、オープニングとエンディング曲に毎度新規カットを入れてくれるのが楽しい。……エンディング曲「Glow at the Velocity of Light」は歌詞が抽象的でそれだけでは意味不明なんだけど、11話見た後だと、分かる、メッチャ熱い。
原作も素晴らしいけど、既に完結した作品をアニメ化した制作サイドの愛とリスペクトにも拍手だ。

「アンゴルモア 元寇合戦記」2018/10/25 23:48

自分、戦記物好きだなあ。
教科書にもある「元寇」を、緒戦の舞台・対馬を中心に持ってきて描く。歴史の隙間を、想像や対馬の伝説も交えて物語にする。奇襲あり、裏切りあり、攻城戦あり。
歴史ものは、結果(惨敗)が分かっているからこそ切り口や見せ方が重要。「一所懸命」、命懸けで己の戦をすることに意義があるって考え。……殺されたり連れ去られたりした人たちにとってはそれで納得できるかどうかは疑問だけど。
ハマって観ていた夏アニメ。粗い部分もあったけど、演出が上手くて続きが気になる構成。原作漫画も読んだけど、全10巻から要所を拾い上げたアニメ版見た後だと、冗長に感じるくらい。セリフや見せ方もイイ感じに変えてあって。
画が付くと、モンゴル軍の多民族多国籍部隊なのがよく分かる。キューピー人形みたいな前髪しているけど、恐ろしい敵なのだ!
アニメで端折られたのはほとんど過去回想なので無くても対馬での戦は理解可能だけど、でもそんな裏話が気になって原作も買ってしまう。端折られエピソードで興味深かったのは、たとえば鎌倉武士のチンピラっぷり、北条時宗の腹黒さ。
そして、高麗視点。結構なページ数で、まるまる一話、それだけでひとつの短編作品になるくらいしっかりと描かれている。彼らのやるせなさを。
今年高麗建国1100周年。「風濤」をまた読み返してみようかな。

「おこしやす、ちとせちゃん」2018/09/05 00:17

漫画でも小説でも、京都モノはごまんとある中で。
ちとせちゃんはコウテイペンギンのヒナ。ふわふわもこもこの彼女が京都のあちこちで楽しく遊んでいるっていう、ただそれだけの漫画だ。
京都案内モノ、と思ったら薄く感じる。そこどこ?って思う回もある。
だけど、ぶっちゃけ京都でなくてもイイと思う。愛くるしいちとせちゃんと共に行くならば、横浜だろうがエジプトだろうが素敵に違いないのである。
しかも。
ぺんぎんさんは、うさぎさんとお月見したり、犬さんと凧揚げしたり、かえるさんと雨宿りしたりしているのだ。
ただただ、かわいい、癒される。

「ベイビーステップ」2014/08/09 12:31

 地味なようで、しかしジワジワと来るものがあります。
 NHKで放送されている、テニスアニメ。
 主人公のプレイスタイルは、相手の戦法を分析し、自分にできる範囲内で最良の手を考えるという、ちょっと「おおふり」っぽい頭脳派。そういう所も味わい深いのですが。
 まず突き刺さるのがオープニング曲の歌詞で、軽快なメロディーと穏やかな語り口でありながらその内容は「自分に負けるな、手を抜くな、できる限り頑張ることに意味があるのだ」と、実にまっとうに厳しい。私なんかにはかなり耳が痛い感じもあります。しかしながら、こういう怠け者には一切媚びない妥協しない姿勢には好感が持てます。
 そして主人公のエーちゃんが、まさにその通りの人物で。
 高校から「健康のために運動しよう」とテニスを始め、最初の大会では善戦するも一回戦負け。よくあるスポーツマンがみたいに、初心者がいきなり大活躍とかしないのです。そこから一年間地道な基礎練習があって、高2の夏にようやく同じ大会でベスト4にまで勝ち上がる。着実に実力と自信が伴ってきている感じが良いです。
 そしてプロを目指す決意をするのですが、それを両親に訴えるのがまた、とってもキチンとしています。来年の夏にプロへの登竜門的大会があり、それで優勝できなければプロを諦めて受験勉強に専念するので、それまで一年間は塾に行かずにテニスをやらせてほしい、と。
 まっとうです。普通です。意外な奇策などありません。
 近年のスポーツアニメは、黒子のバスケとかハイキューとか、キャラクターの魅力とアクションの見せ方がすごく面白いのですが。
 そんな派手さはなくとも。
 目標に向かって、真剣に考えて、行動する。
 ただそれだけのことに、なんか感動できる。

「暗殺教室」2013/10/05 09:48

 今、大変大ハマりな学園漫画。
 この作者にしか作りえない、非常に不可思議な状況設定なので、ストーリーを説明するのは難しいのですが。簡単に言ってしまえば、超生物を退治する物語と、超生物と学園生活を送る物語の、二つの要素があって、その両者を混沌と混ぜ合わせている漫画です。
 ジャンプ漫画と言えば、「友情、特殊能力、勝利」ですが、この漫画の主人公である「せんせー」は正に特殊能力の塊で、もうなんでもアリの超生物なんですが。
 でも基本、その能力はギャグとして描かれます。
 この漫画の真髄は、「特殊能力のない普通の中学三年生」である3-Eの面々が、この特殊な環境でどういう学園生活を送っていくかってところだと思います。
 生徒たち二十数名をきちんと書き分けてキャラクター設定を設けて、賑やかな学園生活と個々の成長を描く手腕が凄い。そして女の子たちが皆カワイイ。
 でももっと凄いのが、特殊能力はないハズなのに、ラスボスの風格たっぷりの学園理事長。実力とカリスマと揺るぎない信念によって、学園を強力に支配する。息子が父親そっくりの胡散臭い笑顔なのに笑った!
 特殊能力満載のモンスターは、漫画的ギャグです(今のところは)。
 特殊能力のない人間の、内側にあるモンスターを描くのが、この作者の真骨頂。

「軍靴のバルツァー」2012/08/04 10:05

 軍人さんつながりで、「パンプキンシザーズ」を思い出しました。あちらは仮想20世紀初頭の「戦後復興」こちらは仮想19世紀の「戦争前の準備期間」なのですが。

 まだ中世の面影が色濃く残る近代初頭の、ヨーロッパの空気がイイ感じ。
 絵とか設定とか、細かいところがとてもきっちりしていて、ある意味ではとてもオタクっぽいけど、むしろアカデミックな印象すら受けます。西洋史(政治面だけじゃなく生活史を含めて)をたくさん勉強したんだろうなあ。
 軍事国家の若い将兵が、同盟国の軍事学校で先生をする話。彼を含めて、大人たちは一人残らず腹の中で何か企んでいそうな人相ワルイのばっかりです。学校の子供たちはみんな可愛い顔してるのに。
 学校生活、政治工作、戦闘場面、の三つのバランスがほどよく、読みやすい。
 男ばっかりでキレイドコロがいないなーと思っていたら、意外な伏兵がいてビックリしたり。
 ただ、登場人物の名前が覚えられないんですいよねー、横文字で、人を名前で呼ぶことがあんまりなくて。主人公も、作中では主に「顧問」と呼ばれてるので、作品タイトルになっていなければ覚えにくかったろうなー。