「La La Land」2017/03/13 00:24

たまに行くカフェバーの姐さんが、「ラストをハッピーエンドと見るか悲しいと見るか、意見が分かれる」って。なるほど、切なさを含んではいますが。
それより、話題作なので観に行ったのですが「それほど面白いかなあ」というのが私の感想。もっと楽しい作品を期待していたのですが、あんまり昂揚感がない。ピアノ演奏はとっても素敵でしたが。
あんまり恋愛映画とかラブ・ストーリーに好むわけではないのですが、そんな私の恋愛モノ歴の中でも最低クラスなロマンチック度だと思いました。
予告で面白いと思った高速道路ダンスシーンも、派手だけどなぜか力強さを感じない(予告で観すぎたせいかもしれませんが)。全体的に、ふわふわ軽くて薄い印象。
夢を追って頑張る人たちを応援します!というメッセージはとてもストレートに理解できるのですが、あまりにもストレートすぎて、かえって感動薄くなる。
恋も夢もファンタジックでドリーミングで、現在就職活動中の身には甘すぎかもしれません。

「ライト/オフ」2016/09/24 23:05

暗がりに、人影。電気を点けると何もない。しかし消灯すると、やはり何かが、いる。
そんな恐怖映像がネットで話題になり、それにハリウッドが目を付けた。
ということで、恐怖感はバッチリだろうと期待して観に行ったホラー映画。期待に違わぬ怖さ。ダイアナこわー、貞子メじゃない凶暴さです。光の中では現れないので、ほとんど黒い影と音声(脅迫する声とか足音とか爪音)でしか表されないのですが、それが、イイ感じに怖いのです。
ダイアナに取りつかれるお母さん。怖いけどお母さんを見捨てられない少年。そんな弟を守ろうとする姉ちゃん。お母さんも彼女なりに子供たちを守ろうとしていた。
元になる恐怖映像を作った監督さんは、これが初の商業映画となったわけですが。
ホラーの怖さに加えて家族ドラマの要素もあり、私好みの戦う美人さんの物語でもあり。
とても面白かったです。

「レヴェナント 蘇りし者」2016/05/07 23:44

赤い火星のサバイバル映画は残念ながら見逃して。
見比べしたかったんですけどね、こちらの白と灰色のサバイバルと。
主演男優賞・ディカプリオ演じるグラスさんの、死なないっぷりが凄いもんでした。瀕死の重傷を負って置き去りにされて、敵に追われて、次々ピンチ。あれでどうして生き延びるのか、あなた不死身ですか、ダイ・ハードですか。時間の経過が明示されないのであっという間に怪我が回復したようにも見えます。怪我以前に、雪の荒野でロクな装備も食料もなしで野宿です、凍死とか凍傷とかなりそうなんですが。執念というか人間の生命力凄いっていうか。
敵役のトム・ハーディの役どころも面白かったです。大変利己的な、絵にかいたような悪役。ですが、もう無理、と思って連れて行くのを断念するのに「最期を見届けて埋葬しよう」ってなんか偽善ぽくて、一思いに息の根止めて、という彼の意見の方が合理的ではあるのです。
非情な考えではありますが、この映画の中では「他の生き物を殺して生きていく」という自然の残酷さが繰り返し描かれています。殺し殺される世界、という真実。
その一方で、たびたび「神」のイメージも挿入されて、それが最後の、一ひねりして反転させることに説得力を持たせます。主人公の奥さんの幻影シーンはちょっとくどいと思ったけど。
淡い光を印象付ける映像も、怒涛の戦いを盛り上げる坂本龍一の音楽も良いです。
あと、格好良かったのは、熊さんの凶暴さ、しびれました

「ルーム」2016/05/04 00:38

少し前に、女子中学生が二年も監禁されていたという事件が発覚しましたが、一番の驚きは、その間逃げようとしなかったということ。
逃げ出せないしんりじょうたいになるのだ。とTVで誰かが言っていましたが、そんなものなのかな。だとしたら、親や学校は「知らない人について行かない」って予防策だけでなく、「変な人に捕まってしまった時の心得」も教育するべきなのだろうか。1、自分の身を守る2、助けを求める3、希望を捨てない。みたいな感じ。
だって「そんな心理になるから」で片づけてしまうには、あまりに長いよ、二年の空白は。
そんなことを思ったからこそ、観に行った映画。
17才の女子高生が7年間監禁されて、その間に子供までできてそれが5才にまで成長してしまいました、から始まる物語。
色々あって危機を感じた母親は、何とかして逃げようとするのですが。子供の方は、部屋の中が世界の全て(部屋の外は宇宙空間でTVの中の世界は嘘なんだよ、と変なファンタジーを教え込まれている)なのだから、いろいろかみ合わない。
それでも母親の必死さに圧されて、幼いカワイイ男の子による初めての冒険。この脱出作戦決行!も面白かったのですが。
これは、まだ前半戦。
大変なのは、長きにわたる異常事態から抜け出した、その後が大変だって話です。
これは私好みのテーマで、「異常事態」の部分に重きをおいて「その後」はあっさりな話(例:浦島太郎)もありますが、「ルーム」は半々な構成です。
外の世界を全く知らなかった五歳児も大変ですが、時間が経つにつれ、7年の青春時代を失った母親の方が精神的に参ってきます。
この母親役のブリー・ラーソンがアカデミーで主演女優賞を取ったのですが。
でも、この作品の肝はジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんです。無垢な瞳に戸惑いや歓喜や恐怖や不満や使命感、そして母親への愛が映し出される。正直、原作小説の方が面白いかもしれないと思ったのですが、彼の愛くるしさと見事な表現力を堪能するだけでも一見の価値があったなあ。

「6才のボクが、大人になるまで。」2015/01/02 00:47

 人生劇場。テーマはズバリ、時の流れ。
 父母姉弟の四人の一家の物語を、12年の歳月をかけて撮った、なんとも気長な映画。登場人物の経てきた時の長さと、俳優陣の経てきた時の長さがリンクして妙なリアルさが出ています。
 現代アメリカ史をバックにしつつ、一組の家族の離合集散、その変化は一続きのものとして、ラスト高校を卒業して大学生活に入る主人公に集約されています。
 でもまあ、それだけって感じでもあります。
 小雪のちらつく寒気の中から暖房の効いた映画館のシートに腰を下ろして、つい心地よくウトウトしてしまったのも良くなかったのですが。ふと気付けば子供が大きくなっていたり、引っ越ししていたり、家族の人数が増減していたりで「いつの間に何だってこんなことに!」という感じ。
 二時間半以上もある長い作品ですが、それでも取り扱う期間が長いものだからそうそうジックリ描けるものでもなく、出来事と出来事の間というか経過部分は端折らざるを得ないのでしょう。彼らの人生の変化に唐突感があります。
 しかし、そうは言ってもやっぱり「これだけの年月があれば社会も動き、人の人生にも成長や変化があるもんです」という説得力は凄いです。子供だった主人公の高校卒業祝いの場面なんかは、「こんなに大きく成長しました」っていう感動があります。
 両親は老けていき子供たちは成長していき、TOYOTAのロゴが最後に「Y」だけになって。

「るろうに剣心 京都大火編・伝説の最期編」2014/09/20 00:26

 観客の目を釘付けにするアクション、それをさらに盛り上げる強烈な音楽、芸達者なキャスト。屋根の上を走る健くん、馬で疾走する健くん、チャンバラな健くん。
 前編を観て、これは今年一番の傑作だ!と大興奮で、期待して後編も観に行きました。
 そして、一つ分かりました。アクションも音楽も役者の芝居も大切ですが、その土台となる脚本がしっかりしていないと、文字通り台無しになってしまうのだ、と。
 映画として時間の制約もあるでしょうから多少の改変は仕方がないのですが、前編は基本的に原作のオイシイところをきちんとおさえた、うまい脚本だったのです。
 しかし後編はオリジナル要素が多くて、なんか弱い。いいセリフなのに何故かとってつけたように上滑りしてしまうのは、説得力が薄いからでしょう。
 だいたい剣心は、薫殿が死んだかもしれない時にすっぱりと奥義の修行に頭切り替えられるほどタフではないでござるよ。
 戦いが終わった後は仲間たちの笑顔が迎えてくれれば良いのであって、手のひら返したお偉いさんたちの敬礼(わざとらしい)なんていらないでござるよ。
 ボコボコにやられて京都で療養していたはずの人がいきなり東京での戦闘に乱入してくるとは、クライマックスシーンのはずなのに失笑ものでござるよ。
 おかしな設定や大勢の雑魚キャラを減らして、主要キャラの見せ場をもっと増やしてくれれば良かったのでござる。
 本当に、前編の評価と後編への期待が高かった分、余計に残念。
 ストーリーはギャグだと割り切って、役者さんのアクションを楽しむ映画。

「利休にたずねよ」2014/01/16 00:14

 今年の大河ドラマの楽しみの一つが、江口洋介演じる織田信長だったりするのでが。
 伊勢谷友介の信長も、格好良い。出番もう少し欲しかったです。

 殺伐した戦国武将たちのココロを癒したカリスマ、千利休。
 彼のこだわった侘び茶スタイルの数々は、若き日の個人的な思い出の再現だったのでした、というお話。
 とっても端正な画面の映画で、特に海老蔵と中谷美紀の所作、一つ一つが、美しい。食べ物がおいしそう。
 ところが、気合入った映画なのに、何か物足りない。
 利休の若い頃から切腹まで長い期間が描かれるのですが、何か、エピソードが切れ切れな感じがします。各エピソードの間の人・時代の変化とかは「察してね」って感じで。
 たとえば秀吉の利休に対する接し方の変化、彼の胸中の動きってもっと色々ありそうなんですが、「最初心酔していてしまいに狂気じみてくる」っていうことは強調されるけどその間の時期が描写薄くて、変化が唐突な感じなのです。
 原作を読んでみたいな、と思いました。映画はセリフも少なめで、要はもうちょっと説明が欲しいのだと思います。映画の場面を思い出しながら心理描写を補完できれば、楽しめそうです。

「Les Miserables」2013/02/02 00:31

 トム・フーパー監督はミュージカル畑の人ではないのですが、「映画」の作り方は抜群と言えます。「英国王のスピーチ」で登場人物たちのキャラクターと繋がりを上手に描いてくれましたが、今回も、名曲の感動だけに頼らぬ「物語」としてスクリーンに描き出してくれました。
 メッチャ良かったです。
 アン・ハサウェイ、あんなに美人なのに、ベリーショートに髪を切ってしまって、ボロボロになって、震える声で歌う。ミュージカル映画なのでクチパクだとばかり思っていたら、ちゃんと芝居をしながら歌っているということで。ラジオ番組でその歌声が流れてきたのを聴いて、胸を打たれましました。
 その歌声と共に、スクリーンにいっぱいの哀切の表情が映し出される。登場人物のクローズアップが多用されていて、真正面からぶつけてきている感じです。
 アン・ハサウェイの歌声目当てに映画館に行ったわけですが、一番インパクトが強かったのがオープニングの「下を向け」で、一番泣けたのが映画の新作の「Suddenly」でした。
 前者はオープニングの囚人たちのみならず、人々の深い苦しみを訴え続けます。後者は、逃亡者のバルジャンがコゼットと二人で生きていく喜びを噛みしめる歌なのですが、なんせ、名作なんで、その後彼がコゼットとお別れする決意を固めるって、知ってるものですから。
 それから意外だったのが、ラッセル・クロウの「Stars」。ジャベールってしつこくバルジャンを追いかける偏屈のイメージが強かったのですが、実に穏やかな歌いようで。彼の信念の強さを感じました。
 バルジャン、ジャベール、ファンテーヌの主要人物はちゃんとミュージカル畑出身の役者で文句ない歌唱力。エポニーヌの雨に打たれっぷりも良かったです。
 それから、子役二人の、うまいこと。
 観に行って、良かったです。

「LOOKIES―卒業―」2010/09/27 00:30

 不良やっていた高校生たちが、甲子園を目指す。
 言わずと知れた、昨年の大ヒット映画。TVシリーズはポツポツ観ていたんですが映画版は見逃していて、今晩TVで放送していたのを。
 展開がベタベタ。(後輩を庇って主将が怪我、とか)
 クサイ台詞の連続。
 試合展開も甘い甘い。(何あのヒット。最後のアウト取る前に泣いちゃうし)
 それでも、ここまで直球でやられると、「青春っていいなあ」って思わざるを得ないです。劣勢の試合で最後まで、夢を叶える事を諦めない。盛り上げ方が上手くて、登場人物達にちゃんと感情移入できる。
 そしてラスト、卒業式……
 全てのツッコミどころも「まあ、あれが彼らの高校野球スタイルなんだから」と納得しよう。
 小難しく考えず、素直に楽しむための映画。