「ズートピア」2018/06/16 16:29

2016年のヒット映画、金曜ロードショウ。
都会版シルバニアファミリー?いえいえ、ディズニーの3Dアニメ、侮れないなあ。ただドタバタしているだけじゃなかった。高評価も納得。
かわいいウサギちゃんが、相棒のキツネといいコンビを見せてくれる、バディものの面白さもあるのだけど。
明確なテーマ。さまざまな種類の動物が共に暮らすズートピア。究極のバリアフリーに見えて、しかしそこは、必ずしも「平等・公平」とは言えない。ウサギは可愛らしく弱いモノ、キツネはずるがしこくて信用ならない。そんな「偏見」が、彼らの夢を阻む……
登場人物は動物でも、イメージはどっかの多民族国家。
そうやって決めつけられて自分自身を正当に見てもらえなかった経験のある人には、おおいに共感できることでしょう。ていうかそういう経験のある人がこの作品を作ったとしか思えない。「反ステレオタイプ」の設定が随所にあって。小さいのに「ビッグ」って呼ばれていたり、スピード狂のナマケモノとか。
そしてウサギちゃんは、困難があっても、夢を諦めない。知恵と勇気とガッツでウサギ初のポリスになって、事件に立ち向かう。
これを、応援せずにいられるだろうか。

第41回日本アカデミー賞2018/03/02 23:12

昨年は、あんまり映画観られなかったけど。

目の保養!優秀男優賞5名様の、平均年齢が若いのにビックリです。できれば、オッサン枠で(!?)野村萬斎さん入れて欲しかったなあ。「花戦さ」は最優秀美術で、まあ予想通りっていうか。
佐藤健君が初受賞って意外なんですけど。
そして、優秀男優賞の五人の中に、仮面ライダーが二人も!
当時から素晴らしかったけど、あの可愛らしかったフィリップ君が。…「あゝ荒野」はあまりに長いんで観に行きにくかったのです。最優秀賞おめでとうございます。
是枝監督が優遇されすぎな気はしましたが。
例年に比べれば、ストーリーのネタバレ少なめなのは良かったなあ。役者・スタッフさんたちのお話の方が聞きたいからね。劇場公開が終わったからこそ言えるようなのを。

「逃げるは恥だが役に立つ」2018/01/04 22:59

大掃除はサボろうと思っていたけど、新垣結衣がせっせとお掃除しているのを見て、窓拭きくらいはやっとこうかと。
年末年始に集中再放送されていた、2016年のヒットドラマ。
主婦の家事労働に対価を支払うべきか、なんてことを真面目に議論しているのを見たことがありましたが、ドラマではそんな素っ頓狂なことはせず普通に夫婦家事分担を模索していたのでちょっと拍子抜け。
古田新太のコメディアンっぷりといい、妄想のパロディ演出といい(元彼のシンジ君に大笑い)、面白おかしい要素もたっぷりなのですが。
本筋は、とてもマジメです。登場人物全員がそれぞれに真摯で善良。ヒロインの「仕事としてやるからには最大限のパフォーマンスを」という姿勢はつまりは勤勉の美徳。できる限りサボりたい手抜きしたいって人もいるし、そこまではいかずともほどほどの成果が出ればヨシ、と思う人だっているんだけど。
こんなにカワイくてしっかりしてて好感度高い女性が身の回りの世話してくれたら、そりゃあ嫁にしたくもなるよね。
ゆりちゃんの格好よさも印象的でした。メッチャ部下に敬愛されている上司、ステキ。
前向きで、最期はこれでもかってくらい大団円。
新しい年に楽しく視聴するのにうってつけでした。

「おんな城主直虎」2017/07/03 01:08

勝つだろうとは思っていたけど、こんな圧勝とは。
よほど小池知事への期待が高いのか、自民に対する反感が強いのか。



ヒロインが頑張る、周りの男たちが助けてくれる。
良質な少女マンガのツボをついているなー、と思います。
もうすでに半分経過の大河ドラマ。先日観た映画も森下佳子脚本でしたが、同じ戦国時代を扱った「花戦さ」より、朝ドラの「ごちそうさん」に近いイメージです。サブタイトルのつけ方(ダジャレシリーズに、映画タイトルパロディシリーズ)や、幼馴染の男の子がヒロインに尽くしてくれる(でもあくまでも彼女の本命は別)とか。
井伊家とか直虎さんとか、マイナーさを逆手にとって、結構自由にキャラクターを作って、観ている方もストーリーがどう転がっていくか知らないまま楽しめます。
いろいろ足りない所もあるけれど、真っ直ぐな気性で皆に愛され、成長していく主人公。
周りの面々も個性的。高橋一生と小林薫、柳楽優也のポジションがオイシイなあ。

「猿の惑星」2017/06/23 07:46

人類の敵は、人類に似ている。
2001年の、ティム・バートン監督バージョン。ご存じ進化した猿の世界を描いた作品ですが、これだけ長い間様々なバリエーションが制作されているのも、この設定に人間の本質に迫る魅力があってこそ。
昔見た初代よりも、猿の顔が人間っぽい。とくに雌猿は頭髪を延ばしたりして。なのに動きは猿っぽいところがあります。そして奴隷扱いの人間たちはちゃんと人語を話していました。ちゃんと文明残っているのになんで猿に負けているんだろう……と思いましたが、言葉がある分ちゃんと「キャラクター」として存在しています。
猿も人間も、どちらもけっこう野蛮です。
終盤はかなり強引でご都合主義だとも思いましたが、あのラストを描きたかったんだなあというのはよく分かりました。
猿が人間を真似たからああなったのか。
そもそも人間も進化した猿も大差なくて当然と言うべきか。

「インデペンデンス・デイ」2017/06/11 23:24

96年米国映画。
宇宙人による地球侵略に対抗!がんばれ地球人!
というマンガか特撮ヒーローモノみたいな設定ですが、結構面白かったです。
圧倒的な破壊力で壊滅する都市。あらゆる攻撃を受け付けない強大な敵。
昨年観た「シン・ゴジラ」を思い出しつつ録画を観ていましたが。
「ゴジラ」との大きな違いはふたつ。
リアリティー度が「ゴジラ」に比べて格段に劣る。その分漫画チックな派手さやワクワク感があります。
もう一つが、キャラクター描写。ちゃんと個々のプライベートや考え方人間性を描いていて感情移入しやすい。大統領自ら戦闘機のパイロットやるとかビックリでしたし、おとーさんのカミカゼ・アタックなんてちょっと感動したし。
いい娯楽作品だと思いました。

「重版出来!」2016/04/29 15:30

しゅったい、と打ってちゃんと変換できた。
昨年ヒットした漫画描き映画の二番煎じドラマかと思っていたら、ちゃんとしたお仕事ドラマ。柔道選手としての夢を断たれた女の子が、スパっと頭切り替えて漫画の編集者として頑張るお話。こうやって漫画は作られていくのだなあ。
前向きで、愛があるなあ。漫画好きな感じが。
主演の黒木華も好きですが、オダギリジョーが「船を編む」以来の編集者役なのも、なんとなく嬉しい。
現実は、こんなキレイに行くことばかりじゃないだろうけど。
四月病なんかに負けるな。この時期、新しい環境で頑張る新入社員たちへのエールとも思えるドラマ。

第39回日本アカデミー賞2016/03/04 22:58

先日、本場の米国ではようやく、ディカプーがオスカー取って。


昨年もボチボチ映画見ましたが、最近の邦画は小粒な感じ。
優秀作品賞ノミネートされた中で観たのは「海街diary」と「海難1890」で、「海難」は政治臭さに鼻をつまんで純粋にちゃんとスクリーンの中だけ観たらいい映画。とにかく迫力映像だったので、最優秀美術賞は当然かと。
しかし「海街」は姉妹も映像も最高に美しいんですが、中身はスカスカ(原作比)。最優秀作品賞も最優秀監督賞取ったけど。柔らかく優しくしすぎて刺さるものが無くって。三女役の夏帆だけかなあ、セリフが上滑りに感じなかったのは。
最優秀助演は、昨年と同じ黒木さん。「駆け出し男と駆け込み女」の満島ひかりが粋で格好良かったので、時代劇枠で撮ってほしかった。
最優秀主演女優の安藤サクラ、「超驚き!」な顔は演技か本音か、どちらにしてもいい感じでした。
見所っていうか、面白いのはやっぱり、割烹着姿の木樹希林の自由さ。「あん」は原作を読みたいと思っていたのだけど。
新人賞に入っていた土屋太鳳ちゃん。るろ剣も良かったし、今放送中の「僕だけがいない街」の声の演技も可愛くて好き。
「海街」の菅野よう子を抑えて最優秀をとったサカナクションさん、映画も曲も流行ったからねえ。
え、二年連続でジャニーズが最優秀主演!?マジかー。
昨年の岡田君の活躍は文句なかったけど。もちろん、二宮君の役者としての実力だって相当なもんだと思うけど。・・・・初ノミネートでこんな若い人が・・・・他にパッとした候補がいなかったからかもしれませんが(ミもフタモない)・・・・

「ダブルフェイス」2015/10/27 23:11

潜入捜査編と偽装警察官編。
以前評判の良かった二時間ドラマを、二週連続放送。
警官でありながらヤクザの幹部として潜入。ヤクザでありながら警官として潜入。
さすがの面白さ。互いに情報の流しあい。身分がばれないように。自分の本来所属する組織に有利な情報を流す。
冷静に考えれば、結構甘い設定だなあ、て思うところもないではないのですが、そういう
細かいとこを突っ込むのが野暮なくらいの、緊張感。
周りはみんな敵だらけ。二人のスパイが大きなストレスを抱え、仕事のために、まっとうな自分を取り戻すために、あがく。

「おおかみこどもの雨と雪」2013/12/22 09:21

 金曜ロードショー。
 本屋で文庫本を立ち読みして「よくまとまったエエ話や」とは思ったのですが、そこでなんか満足してしまって劇場に行く気は失せてしまった作品。
 文章がさらっと読めすぎるってのも困りもんだと思いました。
 しかし映像つきで観てみると、文庫本でイメージしていた以上に感動的でした。ヒロインたちの日常風景とか、田舎の廃屋が掃除されて美しい姿を現してくるとこか、子供たちのまなざしとか。
 雨ちゃんが可愛らしかったです。やんちゃな子供が娘さんになっていく。
 子供たち二人が年齢とともに変化を見せるのに対して、母親の花さんの方は、まったくブレの無い印象でした。素敵な恋人素敵な奥さん素敵なお母さん。
 この人があまりにもひたむきでパワフルでくじけない人で、若い娘さんらしいところがまったく感じられなかったのですが。
 いや、そもそも女というものは、母親というものは、そういうものなのかもしれません。
 強くて、美しい。