「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」2014/07/20 22:40

 行定勲監督と言えば「セカチュー」「GO」が有名ですが私はそちらはあんまりよく知らなくて、でも同監督の作品は結構好きなんです。ウケがよくないのでしょう、上映期間が短くて観に行きそびれることも多いのですが。
 小学三年生のこっこちゃんを演じる彼女は「てんさいこやく」と呼ばれていますが、他の子役の皆さんも、みんな上手いもんです。
この主演女優が特に上手かったのが、モノマネっぷりでした。
 こっこちゃんは自分が「なんかカッコイイ」と思った人の真似をしたがるのですが、それが上手すぎで・・・・・・ちょっとダメな気がしました。彼女の感性が揺り動かされるのはモノの上っ面ばかりで内実はまるで見ていない。ですから、あんまり真に迫ったモノマネシーンより、薄っぺらさが見えるシーンの方が面白かったです。
 こっこちゃんのお気に入りワードが空中にぷかぷか浮かぶ演出も、漫画的すぎてどうかと思ったのですが、その軽さ、実体の無さはよく伝わりました。
 独特の個性の持ち主で、よく言えば「安易に周りの空気に同調せずに自分の感性を大事にする子供」なのですが、どっちかと言えば「大家族の中で一番幼いもんだから大事にされすぎて他者を思いやる発想がない子供」なんだと思います。
 しかし夏休みのある日、変質者に絡まれるという不快な体験(こっこちゃんは怖かったと思うけど、傍で見てる分には凄いオモロイ変質者でした)をしてから、うわべをなぞることの無意味さを感じるようになります。
 体裁と実体、言葉の持つ意味。
 内側と外側を繋ぐのが、イマジンでした。言葉だけでは足りないけれど、もう一つ何かあれば、相手から伝わってくる。相手に伝えられる。

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