「KANO―1931年海の向こうの甲子園―」2015/02/12 00:07

 今年の冬は野球モノの映画が三本も公開されていますが、そのうちの一本、台湾で大
ヒットした、嘉義農林学校の高校野球チームの物語。
 弱小野球部が熱心な指導者のもとで力をつけ、甲子園のヒーローに。出来すぎな話なんですが、事実なんだからしょうがない。事実なんだから、熱い。
 台湾統治時代を美化しすぎとの見方も、一理あるとは思います。ただ、台湾映画なのにほとんど字幕なしでみんな日本語でしゃべっていること、台湾人なのに「あきら先輩」と日本人みたいに呼ばれているのには考えさせられます。昔の日本人、無理を通してたんだなあ、と。
 日本人主導の治水工事も野球とは全然関係ないエピソードで蛇足とも思えますが、お話の盛り上がり、映像的には満々と流れる水路のシーンは美しかったです。
 結構長い映画の、最初の方は結構ダルかったのですが、本格的に野球シーンが始まってくると、もうそれだけで胸が熱くなります。一生懸命ひたむきで、泥臭くて。演技力より野球経験重視で集められた選手たちは、体育会系の素直で単純で明るくて感情的なノリが全く演技臭くない、素のまんまに見えました。野球の練習と演技の練習と、日本語の練習までこなした台湾の若者たち。
 永瀬正敏演じる近藤監督は今時珍しいくらい常に不機嫌そうな顔して厳しいことばっかり言っています。それでも冷たい感じは全然なくて、カノの選手たちとの絆が確かにあることをさりげなく感じさせるのも好感が持てました。
 日本人と漢人と台湾民族たちの混合チーム、泥にまみれた晴れ姿。

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