「坊ちゃん」2016/09/20 17:40

夏目漱石没後百年記念で。子供のころ読んで何が面白いのかさっぱり分からなかった作品に再チャレンジです。
何故かつて、面白く感じられなかったのか。
男の愚痴? 不平不満が並べ立てられます。松山へ数学教師として赴任したぼっちゃん、なんだかんだと江戸と引き比べて田舎田舎とバカにする。不浄の地!扱いです。……漱石先生、よほど松山で嫌な思いをしてきたのでしょうか?
冒頭の、親譲りの無鉄砲で子供のころから損ばかりしてきたって有名な書き出しも、無鉄砲も損ばかりなのも親のせいだと言わんばかりに思えてきます。そして、やたらと子供のころから可愛がってくれた老いた下女のことを引き合いに出してくるのも、なんかマザコンっぽい。
イタイ人です。うらなり君に同情したり山嵐と仲直りするあたりから、多少印象も変わってくるのですが。
独自の価値観を持って、それに反することは受け入れがたい。イイ歳して世間知の低い、坊ちゃんのままでいる主人公。
欺瞞に満ちた世間に喧嘩を売る姿は、多分、漱石先生がやりたかった、でも出来なかったこと。憧れなのでしょう。

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