「彼岸花が咲く島」2022/03/02 00:04

謎の彼岸花が年中咲き狂う、沖縄っぽい島に、記憶の無い白ワンピースの少女が流れ着く。
最初の2、3行で「これはラノベっぽい」と分かる文章・文体。著者・李琴峰さんのインタビュー記事によれば、典型的なアニメやポケモンからの日本語入門者だ。
芥川賞同時受賞した「貝に続く場所にて」とは実に対照的な作風で、でも、「境界線を無くす」イメージは共通する。
島で使用される言語は、中国語と日本語が混じりあったような「ニホン語」で、記憶喪失のヒロインが話すのは和語に時々英単語が混じる「ひのもとことば」。最初は読みにくい、でもだんだん馴染んでくる。
まったくの偶然でしょうが、ビッグタイトル期待で最近話題の映画「ドライブ・マイ・カー」も異言語交流が特徴的でした。流暢な日本語ならば通じ合えるってワケではないのだ。
登場人物たちの心情に、思想に、境遇に、思いを寄せることができれば、なじみのないごちゃ混ぜ言葉の会話も、それほど読む障害にはならないのだから。
やろうと思えばいくらでも欠点を挙げられる、寓話的作品。でも、少年少女たちの暮らしの営みや、交流が、清々しくてかわいらしい。

「出会いなおし」2022/03/04 23:20

二十一世紀にロシアを壊滅に導いた大統領。と、歴史に刻まれてきれなきゃ困るよ、ぷーの野郎は。こんな暴論暴挙をまかり通してしまえば、いつどこがウクライナと同じ目に合ってもおかしくないわ。
本当は、どさくさまぎれて半島を持って行った時点で、国際社会がこのくらい強く反発しとけばよかったんだ。いまさら言っても後のまつりだけどさ。


なんか上手くいかない、腑に落ちない、モヤモヤする、がっかりしたり卑屈になったりイライラしたり。
そんなざらついた心に、潤いと温もりを補給する、森絵都の短編集。初出は14年から16年、全6編。面白くないことたっぷりでも、ささやかながら、人生が報われるお話。
短く、読みやすく、物憂い通勤電車内でちょっぴり癒される。
ところが、まったくの偶然ですが、先月から連日大量に報道されている地域が作中に登場します。
妻:あの施設は危ないんじゃないの。
夫:こんないい職場を捨てられるわけないだろう。
……彼は文字通り死ぬほど悔い妻に詫びながら放射能の餌食に。(そして来世へ)
この作者は、福島原発事故に対してある方面から強く物申したいお人だから、前世紀の異国の事故にも関心を持ったんでしょうね。
事故の危険ばかりか、紛争が起こると攻略目標にもされてしまう(やっぱり!!)のだ。
こわい。

東福寺に桜はない2022/03/06 12:27

文化財特別公開今週末までや!と気付き電車に乗り、昼前に東福寺に到着。暖かいけど風が強い。梅が咲く。
京都市観光協会さんの説明が丁寧で、全体的に満足な鑑賞でした。
まずは法堂で、昨年から何度か観る機会を作っていた堂本印象の蒼龍図。昭和八年八月八日に目を入れた天井画で、制作に使われた大筆や写真も展示。堂内では、大昔に火災焼失したご本尊の右手(全長2メートル以上)も間近に拝めます。
それから、三門の急な階段をのぼる。見晴らしが良く、蓮花を伏せた形の装飾、彩色施された梁が放射状に延びる。中央の御仏よりも周囲に並ぶ十六羅漢の方が印象的、なんかゴツッと強そうで、武士の時代の仏教美術って感じ。
昨年観た「燃えよ剣」のロケに使われていた(軍服土方が昔語りをするシーン)場所で、映画と違って出入り口以外の開口部は閉められていて、いささか暗いのは仕方がないなあ。
最後に昔の坊さんたちのトイレ、東司。これだけ見ても面白さは伝わりにくいモノですが、味のある再現図と丁寧な解説がありがたい。排泄物の再利用と同時に重要なのが清潔第一で、用を足した後厳密な手順に従って手洗い。
感染症予防大事!

みどりの食卓2022/03/12 23:23

宇治市もようやく、観光客様および観光業界様以外の地元住民を盛り上げる方向へ舵を切ってきました。地元のショップを集めたマルシェ開催。
そして、地元お野菜詰め合わせ500円。持ち手付の段ボール箱は意外と持ちにくいモノでしたが、中身は想像していたより充実。ホウレンソウ、小松菜、ブロッコリー、キャベツ、伏見トウガラシ、フィリピン産バナナ(!?)。お米300gも、美味しい。
今日のお昼はキャベツチャーハンで、夕飯はホウレン草と豚肉ミソマヨ炒め。当分は食卓の緑色が尽きないぞ。
それにしても、先週行った「京の冬の旅」企画といい、今週末のマルシェといい、普通に人を集めてイベント開催。食べ物屋さんも出展されていました。
感染症蔓延防止措置って、本当に、飲食店に対する商業活動の自由侵害以外のナニモノでもなくなってきていますよ。京都府も、何も考えずに右にならえ前例を踏襲せよっていうの、止めるべきだよなあ。

第94回センバツ、五日目、大差2022/03/23 16:48

本日はお休み取って、お掃除、お洗濯、高校野球。

第一試合  5-4
市立和歌山、2年連続でイイ投手を甲子園に連れて来てくれました。米田投手の安定感。打撃も中軸が勝負強く、優位に試合を進めていく。
花巻東も最終回、1-4から追い上げ底力を見せてくれましたが、遅すぎた反撃。

第二試合 8-0
鹿児島の離島・大島高校はセンバツ出場二回目、初出場は21世紀枠で、それから年月を経て九州大会準優勝で堂々の甲子園返り咲き。
しかしその花は関東大会優勝の明秀日立に蹴散らされる。大野投手は強気の投球でワタシ好みなんですが、四球が増え、野手が飛球を捕れず、序盤までに8点ビハインド。攻撃も併殺でつぶされることが多くて、格の違いを見せつけられる。

第3試合 22-7
21世紀枠は3校とも初戦敗退。3チーム目の福井・丹生は名門・広島商にめった打ちにされる。序盤に4-3と逆転したときには盛り上がったのだけど、その後は抑えられ、それ以上に、守れない。春夏通じて初出場チームに、悔しい雨が降る。
そして広島商の、これだけ点差がついても一切緩めぬ攻撃姿勢。

第94回センバツ、八日目、不戦勝2022/03/27 23:31

荒天の予報は土曜の試合を延期させ、
好天でも感染症が日曜の試合を一つ潰した。


第一試合 6-2
北陸の名門も、昨夏は新コロのために石川大会辞退の無念を経験しました。
星稜が理想的な思い通りの試合展開。先発がゲームを作り継投も上手くゆき、打線も活発で四番の本塁打も出た。前半までで5点差がつき、大垣日大は最終回にもう一点返すのがやっと。

第二試合 2-1
レベルの高い投手戦。関東大会の成績から明秀日立は打撃力のイメージが強かったのですが、守備力も十分。先制して、このまま押し切るかとも思ったのですが。
最後に勝敗を分けたのは、執念の差か。
市立和歌山8八強進出おめでとうございます。力投のエースが、自らサヨナラのタイムリー。
しかし、明日の準々決勝があまりにも不利で。連戦の市立和歌山と、本日不戦勝(広島商……)で休養十分の大阪桐蔭って。