「6才のボクが、大人になるまで。」2015/01/02 00:47

 人生劇場。テーマはズバリ、時の流れ。
 父母姉弟の四人の一家の物語を、12年の歳月をかけて撮った、なんとも気長な映画。登場人物の経てきた時の長さと、俳優陣の経てきた時の長さがリンクして妙なリアルさが出ています。
 現代アメリカ史をバックにしつつ、一組の家族の離合集散、その変化は一続きのものとして、ラスト高校を卒業して大学生活に入る主人公に集約されています。
 でもまあ、それだけって感じでもあります。
 小雪のちらつく寒気の中から暖房の効いた映画館のシートに腰を下ろして、つい心地よくウトウトしてしまったのも良くなかったのですが。ふと気付けば子供が大きくなっていたり、引っ越ししていたり、家族の人数が増減していたりで「いつの間に何だってこんなことに!」という感じ。
 二時間半以上もある長い作品ですが、それでも取り扱う期間が長いものだからそうそうジックリ描けるものでもなく、出来事と出来事の間というか経過部分は端折らざるを得ないのでしょう。彼らの人生の変化に唐突感があります。
 しかし、そうは言ってもやっぱり「これだけの年月があれば社会も動き、人の人生にも成長や変化があるもんです」という説得力は凄いです。子供だった主人公の高校卒業祝いの場面なんかは、「こんなに大きく成長しました」っていう感動があります。
 両親は老けていき子供たちは成長していき、TOYOTAのロゴが最後に「Y」だけになって。

「ゴーン・ガール」2015/01/17 17:03

 事件の翌日には、捜索ボランティア受付サイトが出来上がっている手際の良さ。そして実際に素人さんたちのマンパワーによるローラー作戦的な捜索が始まるのが、日本にはない風習で興味深かったです。
 決起集会とか、なんかアメリカ的。
 奥さんが行方不明になる話なのになぜ「ガール」なのか疑問でしたが、観てみれば何となく、解釈できそうな感じ。
 アメリカのベストセラー小説が原作。展開が二転三転四転五転するサイコ・サスペンスで、原作より面白いと聞いて映画を観に行ってきました。
 実際面白かったです。たくさん血が出るのが苦手な方にはお勧めしませんが、長いお話で時間経過が前後するような複雑な構成を、飽きさせることなくお客さんを引っ張り込む、デビット・フィンチャー監督の手腕が光ります。

「ビブリア古書堂の事件手帖」2015/01/18 17:09

 昨年五月の連休に二日間鎌倉を歩き回り、大船の白い観音様の見えるところに宿を取ったりしていたので、なんとなく作品舞台のイメージが湧いてきます。
 さらに漱石の「それから」も昨年に読んだばかりだったのですが、しかし「だいすけ」という名前から何一つインスピレーションなど湧かずに読み進めていました。言いわけですが、「それから」の主人公について甲斐性も根性もないダメ男としか解釈していなくて、身内の名前をそこから取ってくるとはまるで思わなかったのです。
 でも、「それから」の奥さんの立場で見てみれば、こんなダメ男でもロマンチックに思えるものなのか、と目から鱗です。
 
 三上延著、古書をめぐるライト・ミステリ。
 人気があるのも納得、面白かったです。
 古書に関する薀蓄も興味深かったですが、それ以上にミステリ小説として上質で、謎の提示と解決へのプロセスが巧みでした。
 先日観た「ゴーン・ガール」のデビット・フィンチャー監督もそうでしたが、「どう話が動いていくのだろうか」とお客さんの興味を引き続けて結果を裏切らない話運びができる作家だと思います。
 しかし後味は「ゴーン・ガール」とは真逆で、どちらもヒロインが周囲の人間を欺く話ではありますが、ラストで「あなたを信じます」とつなげてくれたので、読後はほのぼのです。

「天地明察」2015/01/24 10:01

 冲方丁の歴史小説で、第七回本屋大賞受賞作。
 碁打ちの家に生まれた主人公が算数にはまり、全国各地で天体観測をして、新しいカレンダーを作るお話。
 映画にもなったけど、当時あまりにも話題になりすぎて返って観に行く気が失せたのでした。メディアがネタバレしすぎなのです。
 それで、忘れたころになってから図書館で借りてきました。文庫本で上下巻なのですが、上巻の方が下巻よりも面白く感じました。
 決して、後半が盛り上がらないというわけではありません。全体的に、ピンとこない感じだったのですね。観測と計算によって天体の運行法則を導く、というと確かに凄いのですが、しょせんカレンダーでしょう、という気がしてきます。新しい暦が政治的にも宗教的にも人々の暮らし的にも重要な意味があるのだと説明してくれるのですが、理解はできても気持ちがついていかないというか、何かが足りない気がします。
 算数的に喩えると、問題があって、回答もあるけど、そこへ至る証明や計算式はすっぱり端折ったというか、本当に計算式のように記号的というか。技術的な面など詳細に説明されても難しすぎることもあるでしょうが、それでもそういうものは必要だと思うのです。
 この人は凄いんです、この成果は凄いんです。本書では主人公やその周囲の事物に対してしきりに持ち上げます。
 しかし私には、最初の方にある、凄くなくて立派でもないあたりの書き方の方に共感を覚えました。ぬるま湯の様な人生に飽き、己の能力を発揮できないことに退屈し、真剣に打ち込める舞台を求める人々。
 戦国の世が終わり、新時代にふさわしい価値観、新しい生き方を求める社会。鬱屈の中にあって、もがき、間違え、壁にぶつかり、それでもなんとか、前を向く。

「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」2015/01/31 16:33

 キレイすぎるんじゃないかと思っていたら、コメディにベルばら世界観を融合させて、意外にも宝塚版のルパン三世が好評なようです。
 コナンとは、できればシティ・ハンターとコラボして欲しいと希望しています。キャラクターデザインや対象年齢の違いとか問題はあると思うのですが。
 ただただ、「眠りの小五郎」ならぬ「眠りの冴羽獠」をやってほしいってだけで。

 金曜ロードSHOWです。2013年の劇場版アニメ。
 TVスペシャルのルパンコナンが面白かったので期待していたのですが、劇場版はなんだかゴチャゴチャして分かりづらい感じでした。詰め込みすぎ?話の設定をTVスペシャルから引っ張って来ているのですが、もうすっかり忘れているし(面白かったことは覚えているけど)。
 話の展開も強引だったなあー。
 コナンのスケボーはとうとう水上を走る域にまで進化しました。
 日本の警察はマヌケすぎました。
 少年探偵団にアジトを突き止められるルパン一味もどうかと思います。
 銭形さんは駐禁をとられただけの役回りでした。
 やっぱり全体的に、散漫だったなあ。登場人物をたくさん出させすぎて意味わからなくなってしまって。残念。