「岸辺の旅」2021/02/13 22:39

2015年、日仏合作ってあるけど、役者も撮影も日本人。ヴェネチアで賞取った黒沢清監督作品がNHKで放送されていました。
三年前に行方不明になった夫が死者となって戻って来た。夫婦の物語だけど、それ以前の二人がどんな生活をしていたのかは描かれない。深津絵里演じる妻はピアノ教師、浅野忠信演じる夫は歯科医師だったけど、死者になってからは新聞配達したり、ギョーザ作ったり、物理現象を哲学的に講義する先生をやっていたり、なんだかつかみどころのないキャラクター。
死んだ夫と旅に出る。銀河鉄道みたいなキラキラしたものではなく、普通にJRとか路線バスに乗って。優雅なバカンスとかでもなくて、奥さん行く先々でご飯作ったり、割と楽しげに労働している。
しかし、ふたりが訪ねて行くのは死者と死者に関わる人々。のどかでまったりした日々に、異界の怪しさが隣り合わせ。
ただ、最も妖しかったのは、蒼井優の怪演!可愛くて恐ろしい、深津絵里と対面(対決)するワンシーンしか登場しないけど、オカルトでもなんでもない普通の場面なんだけど、ナマの女の怖さ炸裂!黒沢監督が「スパイの妻」でヒロインにキャスティングしたのも納得の凄まじい芝居でした。
蒼井優の出演作品他のも観たくなる。原作小説も読んでみたい。

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