「歩道橋の魔術師」2026/05/09 15:57

天橋上的魔術師
2021年の河出文庫、表紙の装画も著者・呉明益で、びっくり。この絵によって、日本人には馴染みの無い中華商場という作品舞台がイメージしやすくなります。
台湾作家の小説は初めてでしたが、なんとなく村上春樹っぽいイメージ。具体的にどこがと言われると、なんだか意味があるような無いようなエピソードが一人称で語られるってくらいですが。
40代の大人になって、80年代あたりの子供時代を回想する。ほのぼのしたノスタルジーよりも、死と消失のイメージが濃い。そして、子供達に不思議を見せる、魔術師。
現実を異界が交わる場。登場人物が皆本名でなく通称(トムとかテレサとか英語名が多い)で語られたり着ぐるみで象になったりしているのは、彼らが異界に足を踏み入れた存在として描かれているってことなのか??

北斎×広重 原安三郎コレクション2026/05/16 23:18

金曜日は19時半まで開館しているので、仕事帰りに京都文化博物館へ。
千円札でお馴染み、神奈川沖浪裏もありました。北斎の冨嶽三十六景。
広重も冨士三十六景という企画をやっていたそうで、でもお空に白い台形が記号的に配置されている感じで、北斎に比べると微妙です。パクリ企画だからか……
広重はやっぱり、東海道五十三次之内の方が情景が生き生きしていて面白いです。他に印象的だったのは、京都名所之内、紅葉時期には観光客であふれかえる通天橋は、昔は橋の下で弁当広げてたのか!
北斎も広重も、富士やら観光名所やらを描くために、実際に現地へ足を運んでいたのか、ある程度は伝聞や想像で制作していたのか。
展示数多くて原安三郎氏のコレクター魂には感服いたします。でもせっかくシリーズ物を揃えているに、前期と後期で入れ替えるため全部まとめて鑑賞できないのは残念に思います。