「JUNK HEAD」2021/05/03 11:41

昨夜の「情熱大陸」で動物彫刻家の女性が取り上げられていた。精密さ、という意味では最新3Dプリンタの方がリアルに制作できるのだろう。しかし、人の心をつかむのは、精彩さなのだとしみじみ思った。
……ペットロスのお金持ち相手に、いい商売になる気がする。


映像素人による短編自主製作映画が評価され、100分長編に生まれ変わって商業公開された。
ストップモーションアニメというやつで、映像には効果とか加工が施されているが、キャラクター背景小道具は1/6ミニチュア。3Dアニメより物理的存在感があり、躍動感では着ぐるみ特撮映像ほどではない印象。
大変な労力と情熱を感じさせる映像で、キャラはなめらかに動き回り、多種多様な人造生命体の造詣も不気味可愛い。
壮大な世界観も自分の好みだけど、ストーリーは「ここで終る!?」という続く感。セリフは全て未来語(?)で加工音声、プロの役者の演技力によってキャラを立てることもできないので、映像力のみで観客のイマジネーションを喚起しなければならない作品。
人類が生体を人造物化した設定(外観はマネキン、というよりレゴブロックの人形)で、主人公(いちおう人間)は冒険の過程で何度か破壊・改造されて記憶も飛んだりしているものだから、物語の中心人物にもかかわらず最も愛着を持ちにくい存在だった。
進化して寿命を克服した、空虚な人間。
物騒な地下世界の異形達の方が、生きている。

山歩き、伏見2021/05/04 23:26

五月晴れに導かれ、伏見の山歩き。深草トレイルコースから稲荷山を省き、御香宮神社と藤森神社、疏水沿い散策を足した経路。
御香宮神社は祭神・神功皇后、表門は伏見城からの移築と伝えられるシャチホコ付。瓦屋根の拝殿と茅葺の本殿は金箔や彩色で賑やかにおめでたい、桃山文化だ。筍掘りの絵が牧歌的。
桓武天皇陵にちょっと寄って、伏見桃山城を見上げ、スポーツ施設や公園を通り抜けて、ちょっとずつ登って行く。
大岩山は山頂が182、伏見の町を一望する展望所はもう少し標高低いはず。右手に名神高速が走り、左手に伏見桃山城を見下ろし、正面の京セラ本社ビルの存在感!
展望所までの登りは竹林を抜ける。不法投棄ゴミの多いこと。さらに登ると視界が開け、大量の太陽光パネルが並ぶ。そこも眺望ポイントなのに、景色よりもパネルの群が印象強烈。整地中のところもあり、きっとまだ増やすのだ。後で地図を確認したら、多分ゴルフ場だった辺り。太陽光発電もいいけど、伏見は水とお酒で売っているのだから山切り開くのは慎重にやるべきじゃなかろうか。
せっかく自治体が山歩き整備しているのに色々興ざめだった登り。下山経路はうって変わって幽玄の世界。細く流れる清水、落ちる滝、ひっそりとした池に倒木。低く啼く蛙、マムシ注意の看板、石碑の立つ祭壇(?)があちらこちらに。異彩を放つのが堂本印象デザインの鳥居。荒れた大岩神社の裏手に小さいの、少し下ったところ(こちら側が本来の表参道なのか)に大きいのがあり、二本とも白い石材角柱神像紋様彫刻付。模様に彩色が施されれば、御香宮神社の桃山文化風にも通じる感じ。昭和の作品だけど。

薬師寺・白鳳浪漫ミュージアム2021/05/07 11:21

初夏の青空と新緑。黒い甍、赤い柱、緑の連子窓、白い壁、要所に金箔のアクセント。
三年ほど前、再建されたばかりの興福寺中金堂を拝んだ時も天平時代っぽさ最高でしたが、同じく法相宗の薬師寺もまた、「持統帝もこんな景色見たんだろか」とウキウキしてきます。平日で観光客も少なく、静謐感も加わった美しさ。
壮麗な伽藍(竜宮造りというそうな)の主な建築群はほとんど戦後再建されたものですが、その中で唯一、千三百年前から現存する東塔が今年の春大修理を終えて復活。壁は真っ白、石の土台やてっぺんの水煙は新たに作り直されていますが、木材はほとんど当時のモノ再使用で他の建物のように赤く塗られず、黒く古めかしい。初層内部が公開されていましたが、中心の太い柱は現代の日本産檜では(サイズ的に)作り直せないという。檜は花粉症患者が涙するほど植えられていますが、数百年かけて大きく育てるプロジェクトはないのかなあ。
新しい建物でも中に安置されているのは白鳳期・奈良時代の仏像がたくさんで、特に印象的だったのが聖観世音菩薩立像の麗しさ。
そして、現代美術館でもあります。壁画って線が太くこってりしたイメージでしたが、食堂のそれは水彩の淡さで遣唐使船が描かれる。西塔内部の彫刻も荘厳な格好よさ。最後に玄奘三蔵院伽藍で平山郁夫の異国情緒満載の壁画を堪能。
今年の特別公開てんこ盛り色々見て回って拝観料金1600円也。