「薄桜鬼」2010/12/14 10:26

 新撰組、「龍馬伝」では獲物を狩る狼の如き人斬り集団の凄みがあって、池田屋でも京市街で以蔵を追い詰めるシーンなんかも迫力あったんですよね。池田屋の後で沖田(多分)が鼻歌交じりに帰っていったのが凄い。
 しかし二部以降は(人気があるかって)無駄にちょろちょろ画面に出しすぎたかなあ、ここにはこの人要らんやろ、と思うこともあったのですが。
 最終回で中岡から、刀振り回して戦う時代が終ってしまうぞどうするんだ、ってな事を聞かれて近藤が
「わからん」
 と笑みを浮かべて答えたところは象徴的でした。


 そんな、時代の変革期に散っていく新撰組を描いた「薄桜鬼」TVシリーズの第二期。
 話の展開がえらく速くて戦闘シーンも短いとか(そういう趣旨のハナシではないのは分かるのですが)、終盤にえらく性格が丸くなってヒロインにデレる土方とか(そういう趣旨のハナシだというのは分かるのですが)、興が殺がれる点もあったのですが。
 しかし全体を通して、製作スタッフの気合の入れようがビシビシ伝わってきました。
 「鬼」というファンタジー要素以外はきちんと歴史の流れに沿って忠実に激動の新撰組を描いてくれていました。
 そして何といっても、徹底的に美しい。画面が、彼らの生き様が。
 あでやかな襖、舞い上がる桜の花弁、あまりにもせつない流山の空。
 うーん、「燃えよ剣」を読み返したくなってきた。