「インディ・ジョーンズ 運命のダイヤル」2023/08/05 16:57

INDIANA JONES and the DIAL OF DESTYNY
時を駆けるインディ。
デジタル技術のすごさ。冒頭から戦時中のナチスと闘う(考古学者なんだか007なんだか)若きジョーンズ博士っていうかハリソン・フォード。本当に、どう加工されているのか、わからない若い頃の彼がいるようにしか見えない。実年齢80になろうという主演がどの程度当人によるアクションを演じているのか、どこまでがスタントと加工技術で見せているのか、区別はつかない時代なのです。
しかし、ドキドキワクワクの、このシリーズっぽさは、作中ではこの過去編まで。人類が月にたどり着いたと沸き立つ時代とはうらはらに、年取ったインディは公私ともに順調とは言い難く、しょぼくれているのだ。スピルバーグでは無くマンゴールドが監督した影響もあるのだかろうか、シリーズに特有の冒険はあっても、ユーモアはそぎ落とされてしまった。
その代わり、ヒロインに陽性のキャラクターを持ってきたけれども。
過去へ。古代の偉人とその時代をこの目で。考古学の世界で生きてきた彼には、それは、まさに、夢。しかし物語は、良くも悪くも、それを肯定してはくれないのでした。

第105回高校野球選手権大会、開幕、アツアツ2023/08/06 23:31

甲子園の風に台風の影響が見られる中、山崎育三郎のイイ声で大会歌、理想の上司像NO.1の栗山監督の始球式で、今年の夏も、始まりました。

第一試合
長野・上田西が四回に2-2に追いついてから、素晴らしい守り合い。しかし、九回に決めきれなかった。延長から、3番手投手が連打を浴びる。
土浦日大はソロ本塁打で先制、スクイズで追加点、先発投手もリリーフもたいへん安定していて、延長での反撃につなげました。8-3で開幕戦勝利。

第二試合
東東京の共栄学園は初出場。甲子園常連の聖光学院に大差をつけられるのは、ある程度想定の範囲内でした。しかし、最後まで笑顔でフルスイングする好チーム。代打の選手が勢いよく素振りするのに観客が沸く。
9-3、点差はついても、最後まで盛り上がりました。

第三試合
青春って密だから。
連覇を狙う昨夏の優勝校が、初日から登場。対するは関東の名門、埼玉浦和学院。注目の好
仙台育英、初回から攻撃力爆発。三回には2本の本塁打もあり、さらに大爆発。序盤で9-0、試合は決まった、と思って夕飯の支度をしていたら。
浦和学院も、四回と七回にビッグイニング、9点をもぎ取った。陽の落ちた甲子園に、ボコボコボコの打ち合い。しかし、浦和は、仙台育英の打線を抑えきれませんでした。
19-9、昨夏の選手も多く残る王者が、殴り合いに勝利.

「レディ・ガンナーの冒険」2023/08/10 22:24

古き良きライトノベル、スニーカー文庫っていうのがもうすでに平成の前半、20世紀の香りです。
茅田砂胡作品は、多分初めて読みます。主人公は強気でまっすぐな気性のお嬢様。彼女が荒野を渡るために雇った用心棒たちが、四人とも動物に変身できる種族で、その中でもとびきりの変わり種。
ストーリーは、小悪党によるケチな陰謀に対し、美男美女たちが派手に活躍する、よくある感じなのですが、世界観は、ファンタジー心をくすぐられます。設定に凝る作家さんなのでしょう。続編の「大追跡」では100ページくらいを主人公不在のまま、講義やディスカッションを続けて世界観説明に費やす。どうせなら、大陸マップを付属して欲しかった。
キャラクター的には、ちょっとだけ登場した蛇の人が良かったなあ。

第105回高校野球選手権大会、第七日、東北対決再び2023/08/12 23:37

第四試合 仙台育英8-2聖光学院
この暑さの中、甲子園の前売りチケットは完売だそうで、確かに、外野席もお客さんいっぱい。多くのファンのお目当ては、おそらく、この日ふたつ目の、東北対決。
昨夏、東北初の優勝を果たしたうえに「青春って密だから」で大きな共感を得た、仙台育英。
昨夏、その仙台育英に準決勝で大敗した、福島の常連チーム・聖光学院。
意地と意地がぶつかり合う、レベルの高いチーム同士、見応えのあるゲームとなりました。
両チームとも、1回戦は大量得点を奪って快勝でしたが、仙台育英は、失点も多かったという反省点もありました。
2回戦での東北対決では、その点を修正してきました。早めの投手交代。
聖光学院は、先制されても本塁打で追い上げ、中盤までは2-3と競っていたのですが、終盤突き放されました。仙台育英の湯浅選手、一人で5打点くらい取って大活躍。
昨年の王者は、今年も、強いぞ。

第105回高校野球選手権大会、第八日、水入りと失策2023/08/14 00:00

昨日が東北の日なら、今日は四国の日。二試合とも、近畿の強豪にはじかれる。
しかし、ABC放送、高知大会で負けた明徳の馬淵監督を高知中央戦の試合解説にお招きするとは。偶然だろうけど。しかも、高知中央メタメタに打ち負ける。
履正社の四番森田、先制タイムリーに二試合連続の本塁打。ヒーローだね。守りの方でバタバタしたのが気になるけど、10-4で快勝。
3回戦は、昨夏王者・仙台育英と対決だ。

初回は阿波踊りが鳴り響きましたが、徳島商の大黒柱・森の投球が、智弁学園の打線に攻略されました。12-6。四国勢は2回戦で姿を消す。

失策が絡み、大きく点が動くバタバタしたゲームが多い中、しびれる守り合い。
しかし、北北海道・クラーク国際は、絶好のチャンスに、突然の雨天中断。
対する花巻東は、長い中断後、投手交代で仕切り直したのが成功。ピンチを脱したあと、2-1と勝ち越し。

本日第四試合は、ドキドキのタイブレーク。
大垣日大・阪口監督79歳!ベンチで微妙にユラユラしながらサイン出すのがなんか可愛い。花巻東が監督選手親子出場なら、こちらは祖父孫出場で、阪口監督のお孫さんによる八回の同点ソロで2-2!
ところが、そんな締まったゲームも延長に入ると、疲労と緊張のためか、ミスが。まずは十回表、おかやま山陽、捕手の悪送球から1点献上。このときの、投手がミスった捕手の頭をたたいて励ます光景にジンとくる。
そして十回裏、今度は大垣日大、二死までいったのに、四球で満塁。そこから、運命の一投、バッテリーミスから、4-3サヨナラ。おかやま山陽が3回戦へ。

第105回高校野球選手権大会、第十一日、近畿勢全滅2023/08/17 23:49

履正社負けたー!!!
堅く守り、序盤本塁打で先制されてもすぐ2-2の同点に追いつく、そこまでは悪くなかったけれど。中盤以降、三塁まで走者を進めてもあと一本、たたみかけられない。仙台育英自慢の投手陣を脅かすほどの打撃力(一回戦の浦和学院のような)が無かった。
逆に、確実に送りバントとスクイズで決勝点を上げた、仙台育英須江監督。
19年優勝校と昨年優勝校の激突で、事実上の決勝戦とか他チームに対して失礼なことを言われたりして、確かにレベルの高いチーム同士でしたが。
スコアこそ4-3で競っていても、それ以上に力の差が感じられました。

今日は近畿勢が連続して東北勢に蹴散らされる日でした。5-2で花巻東が智弁学園に勝利し、準々決勝は仙台育英との東北対決。八戸光星も含めて八強に3校の東北勢。
一、二回戦はロースコアで守り勝った花巻東は、三回戦では打ちまくり。智弁学園はエースを後半まで温存していたのだけど、しかしどちらかというと敗因は、これまで打ち勝ってきた打線が封じられてしまったこと。

小倉監督勇退し、今年から新監督に変わりましたが、日大三校は優勝した年の強力打線イメージが強い。今大会では、投手中心の守りのチーム。しかし、エースが本調子ではなかった。変化球を見極められ、直球を痛打される。
7-2で、おかやま山陽が初の八強。偶然だけど、日大系列高校相手に3連勝。

三回戦最後の試合、鹿児島の神村学園がこれまでの二試合と同様、打線が当たる当たる。
北海も熊谷の本塁打などで追いかけるけど、守り切れない。
10-4で神村学園が初八強、あさっての準々決勝でおかやま山陽と対戦。

第105回高校野球選手権大会、準々決勝、後半勝負!2023/08/19 23:44

暑い熱い土曜日、聖地での前売りチケットは完売。全席指定制だと、当日券は販売されないのかな。

第一試合
沖縄尚学の大エース・東恩納は、五回まで面白いように三振取って絶好調、打線も本塁打で2点先制して幸先良かったのですが。
今大会から導入されたクーリングタイム後の六回、大応援団を背負った慶応打線の走者一巡の猛攻に遭い、試合をひっくり返されました。7-2で103年ぶり四強の慶応は、トップバッターの丸太君の快速が見ていて面白いなあ。

第二試合
これも六回までは互角の守り合いゲームと思われたのですが、水戸黄門のテーマが響く中、土浦日大が八戸学院光星の二枚看板を攻略して9-2と圧倒しました。今大会のダークホース、準決勝は神奈川の慶応と、関東対決だ。

第三試合
これまた、打ち合いの予想を覆し、七回まで0-0の守り合い。しかし、打線と言うやつは当たり出したら止まらない、神村学園が終盤、おかやま山陽の二番手投手を打ち崩す。投手も、特に二番手の黒木君の安定感が抜群、いい流れで6-0、初の夏四強。
おかやま山陽は、日大キラーだったり、堤監督が変わった経歴(アフリカで野球指導してジンバブエの代表監督とか)だったりで、話題になりました。そんなチームも、あってイイぞ。

第四試合
勝負は、後半まで保ちませんでした。四回までで8-0だもの、そこまでで、先発投手を引っ込めて、あとは消化試合にしてしまった、仙台育英。昨夏優勝メンバーも多く残り、履正社の二枚看板でも抑え切れなかった打線。
花巻東も、智弁学園戦で好投した葛西投手を始めから投げさせていたら(途中登板で好投したけど)、東北対決はもっと面白くなったかもしれないけど、あとの祭です。
9-4で、仙台育英が、連覇への道をまた一歩。

「また、桜の国で」2023/08/25 22:44

日本では八月ジャーナリズムと言われる戦争特集がメディアによって行われますが、来週から青春アドベンチャーの再放送が始まるのは、9/1のポーランド侵攻に合わせてのことなのでしょう。久々に、聴いてみよう。

ワルシャワ蜂起。教科書の記載一行ほどのその出来事は、結果から見れば、一年もしないうちにヒトラーが倒れるのだから、武器を取るよりじっと耐えていた方が、被害は小さくすんだことでしょう。
ドイツが劣勢となる44年、彼らが立ち上がるまでに、どのようなことがあったのか。ドイツとソ連の間にある、ポーランドの人々の苦難、ユダヤ人たちの尊厳を徹底的にたたきつぶす政策、状況次第で信じられないほど非道になれる人間の業。
須賀しのぶの歴史小説、力作でした。物語はミュンヘン会談後の1939年欧州から始まり、主人公は在ポーランド駐日大使館の書記生。彼らは日本とポーランドの友好を維持するため、戦争を阻止するため、力を尽くすのですが、彼らの祖国は仲良くする相手を間違ってしまう。
過酷な運命の中で、祖国とは何かと問う。戦時下の状況で結ばれた絆に胸が熱くなります。骨太の歴史小説ですが堅苦しさや小難しさを感じさせず、とても読みやすい。
在シベリア・ポーランド孤児というのも、初めて知りました。昨年あたりに支援事業100周年で取り上げられたりもしたようですが。本書は平成27~28年頃の発表。
辛く重い物語ですが、この悲劇と散る桜のごとき美しさを語りたい伝えたいという著者の想いがひしひしと伝わります。