「あやし」2023/12/10 21:41

今年は、宮部みゆき作品を結構読んでいました。読みやすくて面白くて、電車読書にちょうど良いエンタメ小説なのです。
2003年の角川文庫、お江戸の奇談小説集九編も、一日一話のペースで読んでいました。
辛いこと面白くないことがあっても辛抱して、誠心誠意尽くしまっとうに働く。それこそが肝要であると作中で語られています。
辛抱できなかったり、何かに心を囚われたりして、道を逸れてしまったところに、魔が宿る。
「影牢」が特に怖かったです。人の悪意、残酷さが際立つ。
世に潜む魔の気配。恐ろしい怪異でありながら、人の業としての暗い親和性がある。
それに囚われる者、そっと距離を置く者、寄り添う者、力強く立ち向かう者。
人それぞれのやり方で、「あやし」に対応していく物語。

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