「夢の雫、黄金の鳥籠」2012/07/08 13:27

 学べ。
 学門と教養を身につけて自分と世の中を判断できる目を養え。

 時は16世紀。小さな村で育ち、広い世界を自由に飛んで行ける鳥に憧れる少女。そんなヒロインが、賊にさらわれて売り飛ばされ、しまいにはオスマン皇帝の後宮へ入ることになってしまう。
 篠原千絵のイスラム版・大奥漫画。前に書かれていた古代オリエント漫画と違ってファンタジー要素はないので、ヒロインが八面六臂な活躍をするってことはないです。
それどころか、陰謀渦巻く後宮からは逃げられない、籠の鳥状態。自分を教育してくれたオスマンの高官を慕うも、その男こそが自分を皇帝に献上した張本人なのだから、ツライ所です。
皇帝の寵を得て、少しずつ後宮内で力をつけていくものの、自分がどう生きていくべきか見えず、しばしば物憂げな表情を見せる。そこがなんか、リアルなんですね。
彼女の望む自由は、どこにあるのか。
ある登場人物が、良いことを言っています。
自由とは、心のありようだ、と。身を立てることが肝心なのだと。
ヒロインはどのようにして、自分の道を進むための力を得ていくのか……
ってあたりがテーマなんでしょうが。
それとは別に。すでに、大きな力を持った皇帝・スレイマンが欧州遠征を開始します。そのうちウイーン包囲とかもやってくれたら嬉しいなー。
まだ二十代半ばの若き皇帝が、さらに力をつけていく。
歴史が、動いていく。

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